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- 【小関順二のドラフト指名予想】千葉ロッテマリーンズ編
第8回 【小関順二のドラフト指名予想】千葉ロッテマリーンズ編2015年10月13日
【目次】
[1] 昨年の高卒野手指名を追い風にできるか
[2] 大学生野手は上位指名がノーマルだが、あえて高校生野手を上位に指名したい
千葉ロッテマリーンズ 今季戦績
143試合 73勝69敗1分け 勝率.514 パ・リーグ3位
昨年の高卒野手指名を追い風にできるか

脇本 直人(千葉ロッテマリーンズ)
千葉ロッテは徹底的して大学生・社会人の即戦力候補をターゲットにしたドラフトを展開してきた。
統一ドラフトになった2008年から13年までの6年間、育成ドラフトを除く高校生の指名は山本 徹矢(08年5位)、大嶺 翔太(09年3位)、江村 直也(10年5位)、田村 龍弘(12年3位)、二木 康太(13年6位)の5人だけ。順位も低く、私は球団身売りの準備を始めたのかなと真面目に心配したほどだ。
それが昨年、一挙に3人指名した。
3位岩下 大輝(投手)、5位香月 一也(内野手・2014年インタビュー)、7位脇本 直人(外野手・2014年インタビュー)という顔ぶれで、彼らは1年目の今年、ファームで次のような成績を挙げた(9月27日現在)。
岩下 大輝 2試合、2回、0勝0敗、防御率4.50
香月 一也 93試合、328打席、299打数68安打、3本塁打、打率.227
脇本 直人 99試合、218打席、187打数35安打、3本塁打、打率.187
高校卒投手は野手に比べると体作りに要する時間が長いので、1年目から多くの試合に登板するのは難しい。
高校卒5年目でローテーション入りした西野 勇士(08年育成ドラフト5位)でも1年目は出場記録がなく、ファームでの初登板は3年目の11年だった。岩下の一軍登板は体作りと相談して、ということになりそうだ。
野手は凄腕の日本ハムフロントが編み出した、「高校卒の成功指標=1年目にファームで200打席」を香月と脇本がクリアしている。今江 敏晃(334打席・2015年インタビュー)、西岡 剛(300打席・2013年インタビュー)も1年目に200打席超えを果たしているので、このデータを追い風にしたい。
今ロッテに足りないポジションはどこだろう。投手は先発が石川 歩、涌井 秀章、イ・デウン、大嶺 祐太(2011年インタビュー)、唐川 侑己(2012年インタビュー)、藤岡 貴裕(2011年インタビュー)、チェン、古谷 拓哉と揃い、リリーフは西野、大谷 智久、益田 直也、内 竜也、松永 昂大と、万全でないにしろ年齢的に若い選手が多く、実力的にも上位球団と張り合う力がある。
野手はどうだろう。
捕手=田村 龍弘
一塁=井口 資仁(2014年インタビュー)、福浦 和也(2013年インタビュー)、根元 俊一
二塁=クルーズ
三塁=今江、中村 奨吾
遊撃=鈴木 大地
外野=清田 育宏、角中 勝也、岡田 幸文、荻野 貴司
捕手の田村は来季22歳の新鋭なのでこれから育てなければいけない選手で、鈴木はリーグを代表する遊撃手、外野の4人も年齢、実績とも文句なし。心配なのは高齢化している一塁手と将来的な展望を持てない三遊間である。
このポジションの即戦力候補には茂木 栄五郎(早稲田大・三塁手)、藤岡 裕大(亜細亜大・三塁手)、柴田 竜拓(國學院大・遊撃手)、北村 祥治(亜細亜大・二塁手&遊撃手)、吉持 亮汰(大阪商業大・遊撃手)らがいる。
【次のページ】 大学生野手は上位指名がノーマルだが、あえて高校生野手を上位に指名したい

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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