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第12回 【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編2015年10月17日
【目次】
[1] 今年のテーマは「モノになったときにスケールの大きい選手」
[2] 外れ1位はどうするべきか?
外れ1位はどうするべきか?
3年後の投手陣の柱「武田、千賀、松本」にもう1本加えても邪魔にならない。左腕の先発タイプが大隣、山田 大樹くらいしかいないことを考えれば小笠原が有力だが、利き腕より力量で判断すれば現時点ではわずかに高橋が上だろう。
抜群の球持ちの長さは下半身主導の投球フォームの賜物で、肩、ヒジの故障の危険性が低下するという副産物をもたらした。ストレートの球速は最速152キロを計測し、カーブ、スライダー、フォークボールの精度も高く、プロに入れば1年目に5勝を挙げた髙橋 光成(西武・2014年インタビュー)くらいの成績は残せそうだ。
もう1人1位入札が考えられるのはソフトバンクの地元、福岡・北筑高校出身の左腕、今永 昇太(駒澤大・2014年インタビュー)だ。前で書いたように先発タイプの左腕が少ないというのが理由。今春のリーグ戦は左肩の故障で全休しているが、今秋は復活してストレートも最速147キロを計測している。カーブ、スライダー、チェンジアップの精度も高く、プロでは即戦力の可能性を秘めている。
各球団の1位入札が定まらず、外れ1位の予想は難しい。
楽天=平沢 大河(遊撃手・仙台育英・2015年インタビュー)、DeNA=小笠原 慎之介(投手・東海大相模)、オリックス=岡田 明丈(投手・大阪商業大)、中日=高橋 純平、西武=高橋 純平かオコエ 瑠偉、広島=上原 健太(投手・明治大)、ロッテ=平沢、阪神=高橋 純平、日本ハム=高橋 純平、巨人=小笠原 慎之介、ヤクルト=今永 昇太(駒澤大)

茂木 栄五郎(早稲田大)
これがとりあえず現時点の予想である。高橋、今永の抽選で負けた場合、外れ1位で残っているのは投手では熊原 健人(仙台大)、多和田 真三郎(富士大・2013年インタビュー)、西村 天裕(帝京大)、近藤 均(王子)、近藤 大亮(パナソニック)、石橋 良太(Honda)、小澤 怜史(日大三島・2015年インタビュー【前編】 【後編】)、野手では高山 俊(外野手・明治大・2012年インタビュー)、木下 拓哉(捕手・トヨタ自動車)、茂木 栄五郎(三塁手・早稲田大)、吉田 正尚(外野手・青山学院大)あたり。外野手は人材豊富で、入っても出る余地がなさそうだ。三塁手も松田 宣浩(2014年インタビュー)が来季33歳だからあと3、4年くらいはバリバリやっていそうである。
そう考えると需要があるのは捕手の木下だが、二塁まで視野に入れれば茂木も面白い。4年春には二塁コンバート案があり、オープン戦でも守っている。シーズン中、本多 雄一(2014年インタビュー)、川島 慶三、明石 健志(2013年インタビュー)、高田 知季と多くの選手が守っているのはそれだけ決定力に欠けるから。将来的な三塁コンバートも考えながら二塁も守れる茂木はバッティングの力強さもあり、十分候補になり得る。
九州枠なら、夏の甲子園でホームランを量産した山本 武白志(三塁手・九州国際大付)に、大学の右本格派、笛田 怜平(投手・福岡工大)の指名も考えられるだろう。
(文・小関 順二)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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