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第5回 クジ11連敗のオリックスが取るべき戦略は「野手1位」。その理由とは?2015年10月22日

【目次】
[1]悲運の歴史は2005年から始まった
[2]2010年、伝説の3連敗
[3]単独1位候補に挙がる吉田 正尚は過去の例を見れば正しい選択
単独1位候補に挙がる吉田 正尚は過去の例を見れば正しい選択
11連敗。その中には大成している選手もおり、もし当たっていたらと書くときりがない。しかしクジ運がないならば、確実な戦略を取るしかない。
そしてオリックスは2013年から単独指名に切り替えた。競合して、単独1位で指名できる選手を逃すよりも、確実に指名した方がマイナスは少ない。その結果がこちらだ。
■2013年
吉田 一将(JR東日本)
■2014年
山崎 福也(明治大)

吉田 正尚選手(青山学院大学)
2013年は当時の社会人野球ではナンバーワンピッチャー・吉田 一将を指名。即戦力として期待をかけられたが、2年間で6勝11敗。そして山崎も、1年目の今季は3勝6敗と負け越している。
ドラフト1位で指名された投手はあまり活躍できていないが、2008年ドラフト3位だった西 勇輝は二桁勝利3回、そして2011年ドラフト3位の佐藤 達也はリリーフとして3年連続50試合登板以上。また2013年ドラフト2位だった東明 大貴が今年10勝を挙げているのを見ると、2位以下の投手の活躍が目立ち、戦力になっているケースが多く、この事実はあながち無視できない。
そして野手ドラフト1位ではT-岡田、駿太、安達がレギュラーになっている例を見ると、
「野手1位」
が正しい選択肢ではないだろうか。
オリックスは東都大学野球を代表する吉田 正尚(青学大)を単独1位指名に挙げているが、過去の例から見れば正しいと言えるし、オリックスファンはこのデータ通りに大成することを期待したいと考えているだろう。今年の吉田正はこの秋、東都二部で打率.400、5本塁打、15打点とすべてトップの数字を残していて、まさに伸び盛りの野手。吉田に対する期待値、将来性は上記の3人に決して負けておらず、吉田正がプロ入りしてどんな成績を残していくのか楽しみである。
しかしオリックスファンからすれば、5位に終わったならば、投手力の補強が最優先なのではという声があるはず。しかしチーム防御率3.59はリーグ2位と悪い数字とはいえない。一方、打線を見るとチーム打率.249、519得点はいずれもリーグ5位。このデータを則れば、打線強化が最優先課題となる。そして今年のオリックスで100試合出場したのは駿太だけ。頼みの糸井嘉男はケガで88試合止まり。来年も100試合出場できる保証もない。そして長年、レギュラーで活躍してきた坂口 智隆も今季限りで退団を表明。外野手は手薄なポジションなのだ。
今年は多くの高校生野手、大学生野手ともに上位候補に挙がるほどの実力を持った選手が多数おり、いわゆる「野手豊作年」。つまり野手を1位指名する旬の年なのだ。またドラフトは2位以降はウェーバー制で、下位指名から先に指名できる。今年はパ・リーグが優先なので、オリックスは3番目に指名できる。まだこの時点ならば、多くの有望投手を指名しやすい。そこから戦力になる投手を獲得していくのが得策ではないだろうか。
過去10年、オリックスが他球団と競合することなく、野手をドラフト単独1位指名した例はない。事前の予想のまま吉田 正尚を指名するのか、それとも他の選手を指名するのか。楽しみである。
■吉田 正尚選手インタビュー(2015年10月18日公開)
■吉田 一将投手インタビュー(2013年01月22日公開)
■山崎 福也選手インタビュー【前編】(2014年04月02日公開)
■山崎 福也選手インタビュー【後編】(2014年04月02日公開)

- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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