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第2回 【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編 「最下位脱出は全体の底上げが課題」2016年10月09日
【目次】
[1] 個々の能力は高いが、全体の底上げが最大の課題
[2] 外れ1位は野手を指名するべき!その理由とは?
オリックス・バファローズ 今季戦績
143試合 57勝83敗3分 勝率.407 パ・リーグ6位
個々の能力は高いが、全体の底上げが最大の課題

青山学院大時代の吉田 正尚
■課題
同じ最下位でも、セ・リーグの中日とくらべると中心軸はしっかりしている。ディフェンスの要の捕手は14年のベストナイン・伊藤 光を押しのけて21歳の若月 健矢が入り、打者では新人の吉田 正尚が8月18日以降だけで10本のホームランを量産する迫力。10年のホームラン王、T-岡田は2年ぶりに20本塁打超えを果たし、西野 真弘、安達 了一の二遊間は安定感を誇る、つまり若手・中堅で構成されるセンターラインがしっかりしている。
3割、盗塁王の糸井 嘉男(外野手)のFA権を行使しての他球団移籍が気になるが、ディフェンス面では大城 滉二(内野全般)、駿太(中堅手)がレギュラー陣をバックアップし、打者は奥浪 鏡(一塁手・指名代打)、園部 聡(一塁手・指名代打)、武田 健吾(外野手)たち20歳台前半の若手がレギュラー陣にとって代わろうとしている。つまり、糸井のFA移籍は奥浪や園部たちの抜擢を後押しする可能性がある。
投手陣も先発に金子 千尋、西 勇輝の両輪が並び立ち、2人に続くディクソン、松葉 貴大、東明 大貴は数字ほど内容が悪くない。150キロを超えるボリューム感十分のストレートとキレ味十分のフォークボールを操る平野 佳寿が守護神の役割を担い、中継ぎには実績のある佐藤 達也、吉田 一将、塚原 頌平が控えている。
個々の選手の能力はこのように高いのに、チーム打率.253、チーム防御率4.18は最下位。それは矛盾でもなんでもなく、ただただ選手層が薄かった。当然、今ドラフトでは上位で即戦力投手、将来性に富んだ高校生の投手、野手は3位以下で指名するという、近年オリックスが得意とする指名戦略を踏襲することになる。
■過去の指名選手の状況
大物に向かっては抽選で弾き返されている。10年は大石 達也(早稲田大)に入札するも外し、外れ1位の伊志嶺 翔大(東海大)、外れ外れ1位の山田 哲人(履正社)も外して駿太(前橋商)、翌11年は高橋 周平(東海大甲府)を外して安達 了一(東芝)、12年は藤浪 晋太郎(大阪桐蔭)を外して、外れ1位の松永 昂大(大阪ガス)も外して松葉 貴大(大阪体育大)に落ち着いた。
【次のページ】 【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編 「最下位脱出は全体の底上げが課題」(2)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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