- トップ
- コラム
- プロ12球団ドラフト分析2017
- 【小関順二のドラフト指名予想】東京ヤクルトスワローズ編 「最優先は即戦力投手か」
第1回 【小関順二のドラフト指名予想】東京ヤクルトスワローズ編 「最優先は即戦力投手か」2017年10月03日
【目次】
[1] 超高校級野手・清宮の指名はどうなる
[2] 即戦力投手・田嶋が最有力か
東京ヤクルトスワローズ 今季戦績
142試合 45勝95敗2分 勝率.321 セ・リーグ6位(10月3日現在)
超高校級野手・清宮の指名はどうなる

小川 泰弘(東京ヤクルトスワローズ)
■清宮幸太郎はヤクルトの補強ポイントか
マスコミの論調ではヤクルトは1位で清宮 幸太郎(早稲田実業・一塁手・右投左打・184/101)を入札すると言われている。残り1試合となった10月1日現在、チーム打率は12球団中11位の0.234。ならば当然、と頷いてしまいそうだが、チーム防御率4.17はリーグ最下位で、これも12球団中11位である(最下位はロッテ)。
リーグ成績5位だった16年は打率が2位、防御率が6位、優勝した15年は打率が1位、防御率が4位だから「打高投低」はここ数年常態化している。そして今月上旬には主力の小川 泰弘と星 知弥が故障したヒジを手術し、全治は未定だという。そんな状況で戦力になるまである程度の時間を要する清宮を指名する余裕があるのか。
■厳しい投手事情
小川、星が来季戦力にならないと想定すれば先発陣は石川 雅規、原 樹理、ブキャナン、山中 浩史、由規くらいしか名前が挙がらない。若手の寺島 成輝、梅野 雄吾や中堅の岩橋 慶侍の成長を見込んでも先発の顔ぶれはリーグワーストで、小川、星が予想外に早い復帰を遂げてもその立ち位置は変わらないだろう。リリーフ陣に関しても評価は変わらない。そんな状況で本当に清宮を指名していいのだろうか。
清宮の1位入札はセ・リーグでは阪神、DeNA、巨人、パ・リーグでは西武あたりが有力視されている。広島、中日、ソフトバンク、オリックス、楽天、ロッテは球団の体質や事情から見て、清宮には向かわないと思う。4~6球団が冷静に見て納得できる数だろう。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
