第14回 【ドラフト総括】スター選手の指名続々 時代の変わり目を感じさせる2015年ドラフト2015年10月28日
【目次】
[1]今年のドラフト1位指名選手は全員が大成の可能性あり
[2]単独1位指名の広島、西武、オリックス、横浜、楽天も選手のチョイスが素晴らしかった
[3]12球団のドラフト採点!
2015年ドラフト会議が終わった。まず今年のドラフトの総括として、一番気になる1位指名選手を振り返りつつ今年のドラフトの傾向を探り、最後は12球団全体の指名について考察し、締めたいと思う。
今年のドラフト1位指名選手は全員が大成の可能性あり

競合選手となった平沢 大河、高橋 純平、髙山 俊、小笠原 慎之介
今年の競合選手は以下の4人となった。
■平沢 大河(仙台育英)※2015年インタビュー
■高橋 純平(県立岐阜商)※2015年インタビュー
■髙山 俊(明治大)※2015年インタビュー
■小笠原 慎之介(東海大相模<外れ1位>)※関連コラム
千葉ロッテ1位の平沢は西岡 剛以来の高卒野手ドラフト1位指名選手。ぜひ球団の期待に応え、立派な主力選手になることに期待したい。千葉ロッテは投手力を課題に置いているチームだが、主力打者になる可能性を秘めた野手の指名も大事だ。ドラフト1位する理由は、野手豊作年の今年しかチャンスがないと考えているからだろう。そこで技術も、華もある平沢の指名は理に適っている。
福岡ソフトバンク1位の高橋。戦力の厚さではナンバーワンのチームでプレーすることになるが、その厚い層を勝ち抜く潜在能力は十分に秘めている。ぜひ日本を代表する投手に育て上げてほしい。
阪神1位の髙山は、広い甲子園球場でプレーすることを考えると、安打、打率、盗塁数、走塁、守備の面にこだわってほしい選手。目指す選手像は、プロ野球安打記録を塗り替えた秋山 翔吾(埼玉西武ライオンズ・2015年インタビュー【前編】 【後編】)だろう。今の髙山のスタイルからすれば非常に合っているので、将来的には常に打率、最多安打のトップを争う選手になってほしい。
中日外れ1位の小笠原は、左腕にしては十分なスピードがあり、変化球の精度も上がってきた。課題に前向きに取り組んでいける姿勢があり、これまでその課題を克服し成長してきた姿を見せてきた。じっくりと育て上げ、2年目~3年目には一軍ローテーション入りできる実力を付けてもらいたい。
また単独1位指名選手も、即戦力で活躍できる選手ばかりだ。東京ヤクルト1位の原 樹理(東洋大)は、常時140キロ中盤~後半の速球、キレのある変化球で勝負。ここぞという場面の投球には非常に凄味があり、完投能力が高く、先発候補として期待の投手。
読売巨人1位の桜井 俊貴(立命館大)は最速150キロまで球速を伸ばした成長力に注目。角度ある速球、変化球をしっかりとストライクに集められる投球術があり、何よりフォームの土台が良く、さらに肉付けをすれば、急成長する可能性を秘めている。選手層が厚い巨人だが、十分にローテーション候補に入る実力を持った投手だろう。
北海道日本ハム外れ1位の上原 健太(明治大)は190センチの長身から投げ込む角度ある速球、変化球を集める大型左腕だが、まだその能力を生かし切れていない。これまで北海道日本ハムは右投手を育て上げた実績はあるが、今回の上原は久しぶりの大型左腕となり、上原もスケール感たっぷりの投手に育て上げられるか注目である。
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- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
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