第12回 2013四国アイランドリーグplus総括 「成功者」に到達するための過程(後編)2013年12月31日

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2013四国アイランドリーグplus総括 「成功者」に到達するための過程(前編)

【目次】
[1]ブレイクの起爆剤となった「グラゼニ賞」
[2]後期・ソフトバンク杯を制した勢いで、徳島が総合優勝!
[3]リーグ10年目。真の「成功者」となるために

ブレイクの起爆剤となった「グラゼニ賞」

「グラゼニ賞」の制定でハッスルプレーも相次いだ(4・5月受賞の徳島・大谷真徳外野手)

 今年度より四国アイランドリーグplusに新しい月間タイトルが設けられた。名づけて「グラゼニ賞」。講談社・毎週木曜日発売「週刊モーニング」の人気漫画「グラゼニ」とリーグががっちりタッグを組み、「お金を払っても見に来てよかった」と観客に思われるプレーを見せた選手を毎月各球団1名ずつ、主人公・凡田夏之介投手の第1巻年俸にちなむ「18,000円」現ナマ渡しで表彰するものだ。

 「毎月各球団1名」という表彰制度は極めて異例。しかも副賞でなく「グラウンドにゼニが落ちている」野球界の名言のごとく、現金をそのまま表彰に当てるのも恐らく球界初。しかも表彰された4選手は毎月「週刊モーニング」の1ページを飾るとあって、「グラゼニ賞」は四国アイランドリーグplusを超えた話題を集めたのである。

 もちろんリーグ内に与えた効果は絶大だった。選手間ではナイスプレーが起こるたび「これ、グラゼニ?」の声が上がるなど話題は沸騰。潤沢な給料をもらっている訳でない現場にとって「18,000円・こんな大金を頂けるなんて!」(香川・桜井 広大外野手)は決して誇張表現ではないからだ。

グラゼニ特設応援サイト
四国アイランドリーグにグラゼニ賞が誕生!

 また、練習生から晴れて本契約となった直後の本塁打で香川・8月度グラゼニ賞を獲得した間 優外野手(八重山農林高→ビッグ開発ベースボールクラブ)や、8月27日の高知戦において中継ぎで好投。大逆転勝ちに貢献し愛媛・9月度グラゼニ賞を勝ち取り「産まれたばかり男の子のために、可愛いベビー服を買います!」と喜んだ井上 貴信投手(北陵高→久留米工業大→佐賀魂)のように、普段スポットの当たらなかった脇役の選手が一発逆転で受賞選手となった例も多々生じた。そして何よりもプロフェッショナルの必須事項である「観客を意識したプレー」が随所に見られるようになった。

 ちなみにNPBドラフト会議で中日2位指名を受けた香川・又吉 克樹投手は5月及び凡田夏之介の単行本12巻内年俸「33,000円」が贈呈された「年間グラゼニ賞」を受賞。同じくオリックス育成1位指名を受けた徳島・東 弘明遊撃手は6月のグラゼニ賞を受賞者。リーグ年間MVPの徳島・大谷 真徳外野手も4月5月の2ヶ月連続グラゼニ賞受賞をきっかけに浮上を果たしている。

 正に「ブレイクの起爆剤」となった「グラゼニ賞」。その他にも右中間には凡田夏之介の横断幕が貼られ、全選手・首脳陣のユニフォーム右胸には「GURAZENI」ステッカーが輝くなど、「グラゼニ旋風」は2013年四国アイランドリーグplusの大きなトピックである。

独占インタビュー
第23回 徳島インディゴソックス 大谷真徳 選手

独占インタビュー
第24回 香川オリーブガイナーズ 又吉克樹投手【前編】
第25回 香川オリーブガイナーズ 又吉克樹投手【後編】


「世界から四国へ」の傾向、顕著に

ブルキナファソから高知に練習生参加したサンホ・ラシィナ選手

 昨シーズンの四国アイランドリーグplusではアメリカ独立リーグからの逆輸入選手が多数プレーし、うちアレッサンドロ・マエストリ投手(香川)が7月にオリックス・バファローズへ移籍し一軍に定着。そんな実績を受け、今シーズンも同リーグには世界各地から様々なアプローチがなされた。

 まず香川には6月21日、ミャンマー代表のエースであるゾーゾー・ウーが入団。リーグ戦では7試合に登板し5回3分の1を投げ、0勝1敗・防御率6.75と経験を積んだ左腕は、チャンピオンシップ第3戦では打者1人を4球で仕留める好リリーフ。来季もその勇姿を見ることができそうだ。

 また、高知には7月にアフリカ・ブルキナファソから15歳のサンホ・ラシィナ選手が来日。約1ヶ月、練習生として研鑽を積み臨んだ入団テストでは残念ながら不合格に終わったが、遠投90m・50メートル走6秒17と身体能力の一端を示した。地元・高知新聞では「来季、練習生として再チャレンジする」との報道もあり、これも今後の動向が楽しみである。

独占インタビュー
第19回 高知ファイティングドッグス サンホ・ラシィナ 選手

 さらに11月には日本初となるトライアウトリーグ「Winter league」が高知県土佐清水市の協力を得て開催され、国内のみならず、アメリカ、スペイン、フランスといった世界各地から選手たちやリーグのみならずNPB・MLBなどのスカウト陣が集結。「面白い試みだったし、来年以降も規模を拡大していきたい」鍵山誠・四国アイランドリーグplus・CEOの願いが叶った暁には、「世界から四国へ」。
 そしてゆくゆくは「四国から世界へ」。四国アイランドリーグplusが四国と世界とをつなぐ窓になる傾向は、来シーズン以降ますます顕著になってくることだろう。

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