第18回 【四国IL plus 2015北米遠征】 「サヨナラ負けも見えた『気迫』と『執念』」(対ロックランド・ボールダーズ 交流戦第10戦)2015年06月22日

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サヨナラ負けも見えた「気迫」と「執念」

ミーティング中の様子

 最終的には結果が全ての勝負の世界。だが、これだけは記しておかなければならないだろう。よくぞ「手も足も出ない」4連戦初戦から3日間でここまで戦えるまでに成長した。この試合は四国アイランドリーグplus ALL STARSのみならず、日本独立リーグ、いや日本野球にとって大きなターニングポイントにすべき一戦である。

 北米強豪独立リーグ「カナディアン・アメリカンリーグ(以下、キャンナムリーグ)」参戦中の「四国アイランドリーグplus ALL STARS」は現地時間6月21日(日)14:00(日本時間6月22日(月)3:00)より、ニューヨーク州ポモナ「プロベントバンク・パーク」において昨年リーグ王者のロックランド・ボールダーズと対戦。
1対2で9回サヨナラ負けにより4連敗。キャンナムリーグ通算成績を3勝7敗としたが、随所に気迫と執念が見られる好ゲームを展開した。

 好ゲームを呼び込んだ第一の要因は前日試合終了後「明日は勝ちに行く」と必勝を期していた中島 輝士監督が仕掛けた執念の継投策だ。
3回裏一死二塁のピンチを迎えると、これまで粘り強くボールダーズ打線を抑えていた豪腕・竹田 隼人(香川オリーブガイナーズ)から制球力が武器の秋山 陸(高知ファイティングドッグス)へ素早くリレー。秋山は直後に5番・Nidifferに左前適時打を浴び先制を許したものの、後続を凌いで課題だった序盤を最少失点で抑えることに成功する。

 さらに5回からは第6戦(試合レポート)で先発5回無失点の吉田 嵩(徳島インディゴソックス)、7回からは北米遠征では守護神を務める小林 憲幸(愛媛マンダリンパイレーツ)を惜しげもなく投入。
吉田はストレート主体、小林はフォークボール・ツーシームも交えて8回まで無失点。前日までキャンナムリーグチーム打率.296と驚異的な強打を誇るロックランド・ボールダーズ打線は目先を変えられ、虚を突かれ、タイミングを狂わされた。

 一方、試合後も素振りや投手の配球研究などで打倒、ロックランド・ボールダーズへの準備を進めてきた四国アイランドリーグplus ALL STARS打線は、先制点を与えた直後に反撃の烽火を上げる。

 4回表、先発のHarroldに対し先頭の3番・原口 翔(三塁手・香川オリーブガイナーズ)が中前にはじき返すと、4番・松嶋 亮太(遊撃手・徳島インディゴソックス)が犠打。5番・松澤 裕介(中堅手・香川オリーブガイナーズ)の二塁内野安打で続いた二死一・三塁から左打席に入ったのは7番・指名打者の小林 義弘(徳島インディゴソックス)。

「打ってくれ!」祈るように背番号「32」を見つめる三塁ベンチの期待をしっかり受け止めた小林義は……外角高めに入ったスライダーを強く叩き、左中間を破る同点二塁打!二塁ベース上で両腕を上げる小林 義弘。それに応える選手たち。気迫と執念、さらに技術を融合させた北米遠征最大のクライマックスがこの瞬間、訪れた。 

 その後も7回表には二死満塁。9回表にも二死三塁の勝ち越し機をつかんだ四国アイランドリーグplus ALL STRAS。が、ここは4連戦最終戦ではじめて目を吊り上げた表情を見せるロックランド・ボールダーズに封じられる。

 そしてロックランド・ボールダーズの9回裏は、二死走者なし。ここに一瞬のスキが生まれたのか。3番・Nyisztorに四球・二盗。そして4番・Maloncyが3イニング目に入った小林憲の高めに抜けた変化球を捉えると……。Maloncyのこの試合3本目のヒットとなる左中間を破る二塁打。サヨナラ負け。

 これぞ野球の怖さ。最後の力を振り絞り、ロックランド・ボールダーズとの握手に向かった選手たち。首脳陣の表情は充実の中にも悔恨が満ち溢れていた。
ただ、冒頭に記したように、ロックランド・ボールダーズとの4連戦最後にこのような心境に立てるレベルに達したことは、残り7試合に必ず活きるはず。いや、活かさなければいけない。それが彼らに課された使命である。

 かくして実り多きアメリカの地を後にし、明日からはカナダラウンドへと突入する「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。キャンナムリーグ通算第11戦目はケベック州トロワリヴィエール「スタッド・フェルナンド・ベダール」において現地時間6月22日(月)19:05(日本時間6月23日(火)8:05)より、トロワリヴィエール・エーグルスとの3連戦初戦を戦う。

<監督、主将のコメント>

■中島 輝士監督
今日、早めに継投をすることは加藤 博人(愛媛マンダリンパイレーツ)ピッチングコーチと考えて決めていました。先発に指名した竹田 隼人(香川オリーブガイナーズ)には酷なマウンドになってしまいましたが、投手の頭数も連れてきていますし。
ロックランド・ボールダーズとの試合では先発投手が打順二回り以降に早々と捕まっている。一回りはまできっちり抑えられているんですけど、5回までに勝負を付けられているので、そこからは継投で行ってみようということを試合当初から頭に入れていました。

■主将・松嶋 亮太(遊撃手・徳島インディゴソックス)
ウチのバッテリーがロックランド・ボールダーズ戦の3試合を踏まえて、集大成を出してくれました。だから、野手でなんとかしたかったんですけど、1本が出なかったです。
最終的に4番に打たれてサヨナラ負けでしたから、(同点の7回表二死満塁でセンターフライだった)僕との差が出たのかな……。あのピンチで崩れなかったことが、相手の強さかなと思います。


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四国アイランドリーグplus ALL STARS0001000001
ロックランド・ボールダーズ001000002

四国アイランドリーグplus ALL STARS:竹田、秋山、吉田、小林憲 ー 宏誓
ロックランド・ボールダーズ:Harrold, Giblair, Robinson ー NIdiffer

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