第22回 【四国IL plus 2015北米遠征】 「『スター集団』からもらった収穫と課題」(対ケベック・キャピタルズ 交流戦第14戦)2015年06月26日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

「スター集団」からもらった収穫と課題

先発・川崎 貴弘(香川オリーブガイナーズ)

 6月8日(月)に行われた藤川 球児投手の高知ファイティングドッグス入団会見。この中で四国アイランドリーグplus・鍵山 誠CEOはこのような言葉を残した。

「四国アイランドリーグplusがNPBとMLBに選手を送り込むばかりでなく、NPBとMLBを結ぶ選手のトランジット(中継地)になってもいいと思っていました。そして今回、藤川投手がMLBから帰ってくる中で、子どもたちに投げている姿を見せてくれる。はじめてレジェンド級の選手に選択肢を示せた部分では歴史的な一歩だと思います」

 実は北米独立リーグではこのような「トランジッド」は当たり前のように起こっている現象である。
「四国アイランドリーグplus ALL STARS」と、現地時間6月25日(木)ナイター(日本時間6月25日(水)朝)に対戦した「ケベック・キャピタルズ」においても、3番・右翼手のAlexei-Bellは2013年WBCキューバ代表。9番・指名打者のYunieski ‐Gourrielも昨年、横浜DeNAベイスターズの4番を張ったユリエスキ・グリエルの兄(グリエル3兄弟の長兄)である。

 今年2月にはアメリカ政府がキューバ選手との契約規制を緩和(政府の許可を得なくてもキューバ国籍選手を所属させてもよくなった)したが、ケベック・キャピタルズはカナダをホームスタジアムとする利点を活用し、昨年からYunieski ‐Gourrielを招き入れ、さらに今年はAlexei-Bellを含む3選手が新加入。
計4選手がキューバ国内リーグを終えた後、「中継地」としてキャンナムリーグを選択したことで、過去2009年からリーグ5連覇を果たしたこともある「盟主」ケベック・キャピタルズは国際性豊かなチームとして変貌している。

 その他にも2番・二塁手のMalo、5番・一塁手のSumithは2013年WBCカナダ代表。4番・中堅手のSumsに至っては今年3月には欧州選抜の中軸として侍ジャパントップチームと東京ドームで対戦し、11月に開催される「WBSCプレミア12」の予備ロースターにも入っている現役オランダ代表。「ケベック・キャピタルズ」は独立リーグにして「スター集団」といっても過言ではない。

 となればこの2連戦は、「四国アイランドリーグplus ALL STARS」にとっては力を試し、アピールする絶好の機会。
そして試合は4回裏に決勝打、6回表にも2打点を叩き出したYunieski ‐Gourrielに屈した3対6の敗戦以上に、彼らの「立ち向かう」意気が出た好ゲームとなった。

 まずは先発・川崎 貴弘(香川オリーブガイナーズ)。3回までは速球、変化球を各打者バットがジャストミートしないコーナーに投げ分け無失点。4回裏無死満塁のピンチを背負っても6番に対し1点は失うも確実に併殺に仕留め、痛手を最小限に食い止める見事なピッチング。
7番に同点適時打を浴び、8番に四球を出した二死一・二塁で秋山 陸(高知ファイティングドッグス)にマウンドを譲ったが、降板時に3,256人の超満員となったスタンドから期せずして起こった万雷の拍手は、川崎へ贈られた最大級の賛辞である。

 攻撃陣も課題の序盤を克服する姿勢と結果が出た。1回表は1番に上がった髙田 泰輔(中堅手・愛媛マンダリンパイレーツ)の遊撃内野安打から増田 大輝(二塁手・徳島インディゴソックス)バント安打。さらに3番・原口 翔(三塁手・香川オリーブガイナーズ)の犠打と4番主将・松嶋 亮太(遊撃手・徳島インディゴソックス)の右犠飛で締める素晴らしい攻めで先制。3回表も髙田の左越二塁打からつかんだ一死三塁から原口の中前安打で追加点。ケベック・キャピタルズを大いに慌てさせた。

 さらに2対6とされた直後の7回表にも髙田の3安打目となる二塁打から増田の犠飛で3点目。その後も続いた好機でのけん制死は痛かったが、3試合ぶり二桁の10安打を放った打線には、2回無失点の4番手左腕・山藤 桂(徳島インディゴソックス)と共に光明が見えた印象である。

 キャンナムリーグ通算成績4勝10敗。もう成績を気にする状況ではなくなった今、四国アイランドリーグplus ALL STARSに失うものはなにもない。明日も「スター集団」に奢らず、最少失点に抑えた1回表に代表されるように守備のポジショニングでヒットをアウトに変え、個々が持ち場に応じたプレーを披露するケベック・キャピタルズの謙虚な姿勢から全てを学び、収穫して日本に持ち帰ってほしい。

 修行巡礼もあと3回・2か所。キャンナムリーグ参戦第15戦目はケベック州ケベック「ケベック市営球場」でケベック・キャピタルズとの2連戦最終戦。現地時間6月26日(金)19:05(日本時間6月27日(土)8:05)よりプレイボールとなる。


1 2 3 4 5 6 7 8 9
四国アイランドリーグplus ALL STARS1010001003
ケベック・キャピタルズ00030300×6

四国アイランドリーグplus ALL STARS:川崎、秋山、吉田、山藤 ー 宏誓
ケベック・キャピタルズ:Dubois, Leach, Cotton, Hooker ー Blaquiere


【次のページ】 監督、選手コメント


【関連記事】
第20回 【四国IL plus 2016北米遠征】「武者」から「カブキ」へ。そして「侍」へ 「全力」のキューバ代表から吸収すべきこと【2016北米遠征レポート】
第19回 【四国IL plus 2016北米遠征】ついに目覚めた「カブキJAPAN」 「KABUKI SPIRITS!」でキューバを破れ!【2016北米遠征レポート】
第18回 【四国IL plus 2016北米遠征】粘りでつかんだ「7勝目」糧に キャンナムリーグ最終戦へ【2016北米遠征レポート】
第17回 【四国IL plus 2016北米遠征】真の「カブキJAPAN」となるために あと半歩・一歩の精度を極めよ【2016北米遠征レポート】
第16回 【四国IL plus 2016北米遠征】3試合連続サヨナラ負けで5連敗 厚い壁を「KABUKISPIRITS!」で突き破れ【2016北米遠征レポート】
第53回 徳島インディゴソックス・張 泰山内野手 独占インタビュー(日本語版)  「一緒に野球を楽しみましょう!」 【2016年インタビュー】
第54回 張泰山內野手(德島藍短襪隊)獨家訪問  「一起快樂打棒球!」 【2016年インタビュー】
第49回 四国アイランドリーグplus 鍵山 誠CEO【後編】 「四国アイランドリーグplusは『修行の場』」 【2015年インタビュー】
第48回 四国アイランドリーグplus 鍵山 誠CEO【前編】 「『四国発』新事業のはじまりとして」 【2015年インタビュー】
第3回 四国アイランドリーグplus CEO  鍵山 誠 氏 【2012年インタビュー】
川崎 貴弘(津東) 【選手名鑑】
山藤 桂(島根中央) 【選手名鑑】

コラム