第2回 超一流〜橋本将と河原純一が愛媛マンダリンパイレーツに与えるもの(後編)2012年05月11日
リーグ開幕~チーム内に起こりつつある化学変化

徳島ISとの開幕戦、リーグ初安打初打点を放った橋本将
4月1日。四国アイランドリーグplus、そして愛媛MP8シーズン目のシーズンが開けた。
徳島ISのホーム・アグリあなんスタジアム。橋本将は「5番・指名打者」として出場。3回にはリーグ初安打となる適時打を放ってチームの勝利に貢献したプレーばかりでなく、「コーチが増えたようなもの」と星野監督も認める捕手への的確なアドバイスで、改めてその力を誇示。試合のみならず「いい時はいいと言ってくれるし、悪いときは自分で悪い原因を考えさせて、その後にアドバイスしてくれる」とNPB注目の5年目右腕・入野 貴大(岡豊高→プロ育成野球専門学院)も語るように、練習でもその存在感は日に日に増している。
一方、始動時期遅れからオープン戦のマウンドにも上がらなかった河原純一は、出場登録選手枠から外れたことでアグリあなんのベンチにその姿はなし。その後の練習でも「流されてやるようなことはよくない」という持論通りに自らの体と対話しながら、ペースを徐々に上げている。よって現時点では、まだ2人がチームに明らかな化学変化をもたらしているとはまだ言い切れない状況だ。
ただその一方で、変化の兆しは確実に現れてきた。たとえば入団5年目、開幕戦ではランニングホームラン含め、これまでにない積極的な走塁が光った髙田泰輔(新田高)。自身は、その変化のわけをこう語る。
「今年は高知FDから足の速い(昨年盗塁王)流大輔さん(祐誠高→福岡オーシャンズ9・5年目)が移籍してきたので、結果を残している人から聞いて勉強しようとしています」
事実、練習を眺めてもチーム内での野球会話は明らかに増えた。「結果を残している人から聞く」。この空気感が生まれつつあることこそが、2人が生んだここまで最大の化学変化なのかもしれない。
NPB同様、これからGWの連戦を迎える四国アイランドリーグplus。その中で2人の力が必要とされるときは必ず来るはずだ。そのとき、更なる化学変化がどのように生まれるのか?今はその瞬間を心して見てみたい。
(文=寺下 友徳)
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