第8回 スタジアムDJの世界で果たした「NPB入り」 vol.12015年04月17日
【目次】
[1]つながりを創り、状況を把握して「スポーツDJ」の道へ
[2]四国アイランドリーグplusで磨かれた「観察眼」と「手元スキル」
[3]四国から大きく羽ばたく「つばさっち」
四国アイランドリーグplusで磨かれた「観察眼」と「手元スキル」

グランド整備時にはグラウンドに降りて観客を盛り上げる香川オリーブガイナーズスタジアムDJ・藤澤 翼氏
「リーグ初年度の2005年は徳島インディゴソックスと香川オリーブガイナーズのスタジアムDJを。そして翌年は全球団のスタジアムDJをしました。土曜日に高知ファイティングドッグスのホームゲームを宿毛(高知県の南西)でして、翌日の日曜日に鳴門(徳島県東北部)で徳島インディゴソックスのホームゲームでしゃべったこともあります。
2007年以降は香川オリーブガイナーズの比率が大きくなって、今は香川オリーブガイナーズでスタジアムDJをしています」
選手以上に「過酷」の二文字。サッカーとは畑違いの現場。が、ここで活かされたのも持ち前の観察眼であった。
「野球は子どものころからずっと見てきた世界。そしてこの時期からはNPBの試合もサッカーのスタジアム要素を入れるようになってきました。さらにリーグからは『MLBの球場に近い雰囲気を作ってほしい』というリクエストもあったので、それを混ぜこぜにした感じです。具体的には応援団がしてくれる応援に対し、放送的に言うと『いかに割り込める』(一体化できる)か。とかですね。
独立リーグはマンパワー的に限界があっても緩さがある。ただ、選手はNPBを目指し頑張っているので、野球にある『すき間』を選手のプレーを阻害しないことを考えて。独自のエンターテイメントを研究した結果、手元ですべてを進める形になったんです」
「手元スキル」の結集。それが藤澤氏が現在持ち込んでいるPCだ。このPCからは各選手の登場曲や状況に合わせた音楽が、配線さえつなげばいつでも流れるように準備されている。レクザムスタジアムや四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀で絶妙のタイミングで流れる音と声は、いまやこれなくしてはありえない。
新入社員の多くが通る道「新規開拓営業」という部分でも、「放送技術」の部分でも含蓄のある言葉が続いた第1回。第2回では、「言葉にするのは難しい」と言いながらも語ってくれた独立リーグの魅力や、若者たちへのメッセージなど、藤澤氏ならではの視点でさらなる言葉が綴られていく。
(文・寺下 友徳)
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