第9回 スタジアムDJの世界で果たした「NPB入り」 vol.22015年04月24日
スタジアムDJの世界で果たした「NPB入り」 vol.1はこちらから!
【目次】
[1]独立リーグは「多様性のプロファッショナル」を作る場
[2]独立リーグは「楽しさ」を「最短距離」で発信する場所
[3]四国から大きく羽ばたく「つばさっち」
独立リーグは「楽しさ」を「最短距離」で発信する場所

試合終了後にヒーローインタビューを行う香川オリーブガイナーズスタジアムDJ藤澤 翼氏
かくして昨年からはNPBと四国アイランドリーグplusの「二刀流」で奮闘する藤澤氏。2つの舞台をみているからこそ、四国アイランドリーグplusの選手たちに望むこともある。
香川オリーブガイナーズでは試合後のヒーローインタビューも藤澤氏をはじめとするスタジアムDJが聴き手を務めるが、なかなか言葉が出てこない選手たちを前に、内心は「もっと自分をアピールする場にしてほしい」と思いながら話を引き出している。実際、過去にNPBに進んだ選手たちも例外なく自らをアピールしていたことを知っているからだ。
「角中 勝也(現:千葉ロッテマリーンズ外野手・2006年・高知ファイティングドックス所属)は口数は少ないが、聞かれたことにはきちんと答えるタイプ。三輪 正義(現:東京ヤクルト内野手・2005~2007年・香川オリーブガイナーズ所属)はいつも明るい雰囲気を出してくれていました。又吉 克樹(現:中日ドラゴンズ投手・2013年・香川オリーブガイナーズ所属)は理路整然と自分を説明していました」
その要望はスタジアムDJの世界にも向けられる。「選手同様にマーケットとして大きくする中で、色々な活躍の場ができるはず」と今も様々な可能性を模索する藤澤氏に最後、聞いてみた。「スタジアムDJとして、独立リーグの魅力とは?」
「これは福岡ソフトバンクホークスの仕事を頂く前から言っているんですが……。野球の知識を備えておくことは前提として、独立リーグは僕らにとっても間違いなくチャレンジの場、ステップアップの場です。ただ、僕らは野球に限らずサッカー・バレーボール、さらにイベントなど色々な活躍の場がある。独立リーグはそんなことも含めれば平日にもあるエンターテイメントとして様々なことができるわけです。
さらに入場料も安い。お客さんにとっても足を運びやすい場であるはずですから、環境の中で「楽しい場」にする本質の部分を、最短距離で発信する場所にしたい。僕は表に出ているだけで、お客さんと横並び。『観客総DJ』が理想。そうすればチームは動くし産業になる。その可能性は独立リーグにもあると思います」
「2012年に香川オリーブガイナーズと新潟アルビレックス・ベースボール・クラブとが日本独立リーググランドチャンピオンシップで対戦した時、はじめて来たはずの新潟のファンから試合後『つばさっち!』と声をかけて頂いたことは今でも忘れないです。でも、なんで声をかけてもらったのか謎なんですが(笑)」
と、野球にかかわるすべてのことを今でも誰よりも楽しむ藤澤翼氏。
スタジアムDJ界ではじめて「独立リーグからNPB入り」を果たした男は、独立リーグで学んだ「楽しみを提供する」大切さを糧に、これからも次なる壮大な夢に向かって走り続ける。
(文・寺下 友徳)
又吉 克樹へのインタビューは以下から!
又吉克樹投手(香川オリーブガイナーズ) 【前編】(2013年12月03日公開)
又吉克樹投手(香川オリーブガイナーズ) 【後編】(2013年12月10日公開)
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