第10回 NPBで活躍する独立リーグ出身選手たち2015年05月20日

【目次】
[1]オリックスの「新4番」 カラバイヨの「凄みがかった」独立リーグ時代
[2]変わらない「全力」 亀澤 恭平内野手(中日ドラゴンズ)に見る独立リーグ出身者の強み
[3]NPB連続ホールド記録を出したバリオスも実は……。 彼らに続け、独立リーグ出身者たち
セントラルリーグ、パシフィックリーグ共に3月27日の開幕から約2ヶ月が経過した2015年のNPB。「日本生命セ・パ交流戦」を目前に活躍が目立つのは「独立リーグ出身選手たち」である。
では、彼らの「あのころ」はいったいどうだったのか?今回はそんなNPBの独立リーグ出身選手たちの活躍を一挙紹介。独立リーグ時代のエピソードを随所に交えながら、今後も占っていきたい。
*NPB記録は全て5月17日(日)現在
オリックスの「新4番」
カラバイヨの「凄みがかった」独立リーグ時代

フランシスコ・カラバイヨ(オリックス)
2012年パ・リーグ首位打者。2013年WBC日本代表。常に「独立リーグ出身」の先駆者として道を切り拓き、今季も.311でパ・リーグ打撃成績6位につける角中 勝也外野手(千葉ロッテマリーンズ、四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグス2006年所属)。
が、今季は角中に続く「独立リーグ出身選手」も多数出現している。
代表的なのは「オリックス・バファローズの新4番」フランシスコ・カラバイヨ外野手である。春季キャンプにテスト参加後、2010・2011年以来となるオリックス・バファローズへ復帰。開幕10試合で主力にけが人が相次ぎ一軍に昇格すると初戦で本塁打を放つなど、ここまで29試合で107打数37安打7本塁打23打点。打率.346と抜群の成績を残しているベネズエラ人。
彼もまた2006年には四国アイランドリーグ(当時名称)高知ファイティングドッグスで18本塁打・76打点(現在もリーグ記録)で2冠を獲得。2010年にはBCリーグ(当時名称)の群馬ダイヤモンドペガサスに移籍しわずか3か月で15本塁打を放ち、オリックス入団が決定。2013・2014年には再び群馬ダイヤモンドペガサスで2年連続本塁打・打点王を獲得している。高知時代にも坊っちゃんスタジアムで本塁打を放つなど、その長打力には定評があった。
昨年はそこに凄みが追加。63試合出場で33本塁打87打点・打率.396 とルートインBCリーグ、及び日本独立リーグ史上初の三冠王を獲得。昨年の日本独立リーググランドチャンピオンシップにおいても5試合で18打数7安打2本塁打6打点。「まともに勝負するのは難しい」というのが徳島インディゴソックス関係者の一致した認識であった。その意味ではNPBでの活躍もいわば必然とも言える。
オリックス・バファローズはカラバイヨの他にも2012年・香川オリーブガイナーズにおける前期の活躍を見初め素早く獲得に動き、ロングリリーフから時には先発までどのポジションでも一定の働きができる4年目右腕、アレッサンドロ・マエストリ(2006・2009・2013年WBCイタリア代表)や、今季、2年ぶりに一軍勝利を飾った左腕・前田 祐二(2009年・福井ミラクルエレファンツ所属)など、古くから独立リーグ出身選手に興味を持っている球団。今後のチーム浮上にも彼ら独立リーグ出身選手が大きな鍵を握ることだろう。
コラムに登場した選手の記事は以下から
角中勝也(千葉ロッテ)が独立リーグに残したもの (上)(2013年02月14日公開)
角中勝也(千葉ロッテ)が独立リーグに残したもの (下)(2013年02月26日公開)
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