第11回 藤川 球児とタフィ・ローズ 2人の「レジェンド」が独立リーグにもたらす影響2015年06月10日

【目次】
[1]「中継地」を許容し、最高レベルを体感させる四国アイランドリーグplus
[2]「レジェンド級」から学ぶ ルートインBCリーグ / レジェンドを打ち込み、抑え込め!
先月末から今月にかけて、日本独立リーグ界には続けざまの衝撃が走った。
5月25日にルートインBCリーグ・富山GRNサンダーバーズがNPBで464本塁打を放ったタフィ・ローズ外野手のコーチ兼任選手としての入団を発表すれば、6月1日には四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスがMLBテキサス・レンジャーズを5月に自由契約となっていた藤川 球児投手の入団を発表。NPB・220セーブの実績以上に野球ファンにインパクトを残した「火の玉ストレート」の故郷降臨には、誰もが目を丸くした。
では、なぜこのような現象が日本の独立リーグに生じているのか?今回は四国アイランドリーグplus・ルートインBCリーグの「スタンス」にスポットをあてつつ、2人の「レジェンド」が独立リーグにもたらす影響について考察していきたい。
「中継地」を許容し、最高レベルを体感させる
四国アイランドリーグplus

高知ファイティングドッグス・藤川 球児投手
「四国アイランドリーグplusは今年で11年になります。その間、いろいろな選手がNPBに巣立っていきましたが、巣立つ選手だけではなくて色んな人に利用していただきたい、MLB、NPB以外にも選手の居場所があっていいのではないか、選手のトランジットの場になってもいいのではないかと思っていました」
四国アイランドリーグplus・鍵山 誠CEOが心中に描いていたものが今回実現する形になった。正直に言えば、34歳で今シーズン5月までMLBでプレーしていた藤川 球児投手が高知ファイティングドッグスに入団するパターンはこの形以外に考えられなかった。
「中継地」を許容した四国アイランドリーグplusと「中継地」が故郷にあることで、自分の思い描いていた「これからの子どもたちの未来につながるもの」を、たとえ短期間になったとしても体現できる機会を求めていた藤川 球児投手の強い意志。これらが合致した時、サプライズは生まれた。
「僕自身は投げる試合で、マウンドで最高の結果を求めてやっていきます。兼任コーチではないので、1プレイヤーとして高みを目指したいです」
すなわち、最高レベルの選手が高知ファイティングドッグスのユニフォームを着る。それを高知ファイティングドッグスの選手たちばかりでなく、地域が感じる。「藤川 球児投手」というレジェンドを通じて四国アイランドリーグplusの新たなスタンスが開かれようとしている。
「レジェンド級」から学ぶ
ルートインBCリーグ
一方、ルートインBCリーグのスタンスは四国アイランドリーグplusとはやや角度を変えたものだ。
「最初にオファーをした時、タフィ(・ローズ)が快く引き受けてくれたことで今がある。ローズが今いる選手の中でプレーすることの素晴らしさを皆さんにも体感して頂きたいし、人間味も感じてもらいたい。富山GRNサンダーバーズだけでなく、リーグの選手もローズとプレーすることで成長してもらいたい。期待しています。富山の少年たちにも野球をしてもらえるきっかけも作ってもらえるような話もしている。ここから発信して盛り上がっていけるように、一緒に頑張っていきたい」
大阪近鉄バファローズでタフィ・ローズと共に「いてまえ打線」を形成し、今回、招へいへと動いた吉岡 雄二監督が入団会見で残したコメントが全てを言い当てていると言っていいだろう。
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