第11回 藤川 球児とタフィ・ローズ 2人の「レジェンド」が独立リーグにもたらす影響2015年06月10日
【目次】
[1]「中継地」を許容し、最高レベルを体感させる四国アイランドリーグplus
[2]「レジェンド級」から学ぶ ルートインBCリーグ / レジェンドを打ち込み、抑え込め!

富山GRNサンダーバーズ タフィ・ローズ選手兼任コーチ
先人たちもその路線を切り拓いてきた。今季56歳で石川ミリオンスターズに入団すると、6月9日時点で63打数18安打15打点。いまだ選手兼任監督として威光を放ち続けるフリオ・フランコ(元千葉ロッテ、MLB通算2586安打)しかり。
MLB・NPBで名声を博しながら「僕は監督業の割合が多くなると思う」とのシーズン前発言通り、6月9日時点で5試合出場のみ。それでも11打数6安打6打点(6月9日現在)と結果を残す36歳・岩村 明憲(福島ホープス選手兼任監督)しかり。ルートインBCリーグのレジェンドたちの多くは、共にプレーすることでNPB・MLBに進むレベルの一端を示してきた。
素晴らしいのは46歳のタフィ・ローズ自身が自分の役割を心得ている点だ。
「吉岡さんから『チームの助けになってくれ』とオファーを受け『自分にとってやりたいことができる。なんとかなるのではないか』と思ってここに来た。ホームランは打ちたいが、同時にコーチとして自分ができることをやっていきたい。子どもたちが野球を好きになってくれるように、僕は野球を通じて努力していきたい」
今年に入ってから週4~5回のペースでトレーニングを再開し、打撃練習にも打ち込んできたローズ。富山GRNサンダーバーズ2戦目となる6月7日(日)の福井ミラクルエレファンツ戦では早くもリーグ第1号を放った理由もうなずける。
レジェンド級からグラウンド内外の姿勢を学ぶ。これがルートインBCリーグ最大の魅力であろう。
レジェンドを打ち込み、抑え込め!
こうして観客側にとってはなんとも贅沢な状況が訪れつつある四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグ。ただ、選手側が「すごいなあ」と感嘆しているばかりでは、選手個人だけでなく、日本独立リーグの成長はない。
独立リーグ選手の立場にありながら、NPB二軍選手が体感しづらい一流と対峙し、共にプレーできる機会を利用する。それができなければもはや彼らは「プロフェッショナル」とは呼べない。
四国アイランドリーグplusの選手であれば「藤川さんの火の玉ストレートを打ち込んで、来年は大谷 翔平(北海道日本ハム)(関連記事)のストレートを砕く!」でもいいだろう。
ルートインBCリーグの選手であれば「ベテランの時代は終わった。俺たちが彼らをきりきり舞いさせて、来年はNPBで今のレジェンドたちを抑えにいく!」でもいい。利用して、越えていく。これが独立リーグの根幹にある「フロンティア精神」である。
「死ぬときに『あいつがいてよかったな』と言ってもらえるように生きたい。そのために、人に迷惑をかけない。自分に芯を持って生きる。過去にとらわれず、先をみつめて、自分自身で楽しい人生を送りたいです」
藤川 球児投手が会見の質疑応答、最後に話した言葉を、選手たちがどのように捉えるか。その答えを出すのもまた、彼ら自身である。
(取材・写真:寺下 友徳)
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