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第27回 端保 聡社長(石川ミリオンスターズ)2014年04月18日
【目次】
[1]選手のコンディショニングが第一
[2]NPBと全く違うことを
[3]木田氏の加入で、メディア戦略に変化 / 今年の目標は「夢みまっし」
木田氏の加入で、メディア戦略に変化

端保 聡社長
――2012年にハワイとの交流戦があって、その後、元NPBの木田 優夫さんがチームに加入されました。
端保 木田投手が日ハム(北海道日本ハム)を辞めた時に出会うきっかけがありました。彼は、46歳になって、150キロ投げられれば、またプロに戻れるんじゃないかっていう思いもあって。じゃあ一緒にやろうよという流れで石川に来ました。
――そんな木田投手の存在もあり、また、2015年春には、北陸新幹線の金沢―長野間が開通します。それをきっかけに、何か仕掛けることも考えているのでしょうか?
端保 新幹線が来る前に、今やらないといけないことがたくさんあります。来てからやったってダメ。まず、仕掛けておいて、石川に『なんか気になる球団があるよ』っていうね。
石川のスポーツ界、サッカーも野球も、なぜか田舎の方に、平均2000人集まる球団があるよっていうのがあれば。そういう風になるために、頑張らないといけない。まだまだ独立リーグを持ちたい県はあると思うので、そういう県のモデルになることも大事だと思っています。
――海外戦略も含め、今後、独立リーグ全体がどうあるべきだと思いますか?
端保 まずは、選手の成功者を出すことですね。アイランドリーグが10年目、うちは8年目ですけど、今、正直、独立リーグから行って、コンスタントに一軍にいる選手って。アイランドリーグでは、角中 勝也(千葉ロッテマリーンズ)、東京ヤクルトで守備固め要因の三輪 正義、BCの方は、内村 賢介(横浜DeNAベイスターズ)が昨年の開幕はスタメンでしたけど。
ほとんど育成でとって、育成で消える。リーグの選手は、年齢が22~25歳くらい。ということは、社会人野球と一緒なわけですよ。社会人野球の選手は即戦力がNPBに入るわけですよね。我々も、本当の意味で即戦力になる選手を出していくことが大事だろうし。もっと言えば、BCリーグに来たら、アメリカマイナーと契約できるんだよっていうような、夢のあるようなものにしないと。
――そのためには、選手の育成とともに、経営面も大事になるということでしょうか?
端保 やっぱり、恒常的にやっていくにはね、経営的にきちっとした基盤を作っていかないといけないでしょうし、どっちが先かといったら難しいですけど、着実にそういう選手を出していくことですね。
石川は、1年目の内村をNPBに輩出しました。ここ2年間は、外国人選手を毎年1人ずつNPBに出しているので、今年は、日本人1~2人と外国人1~2人。日本人選手は必ず今年はNPBに入れたいですね。
まず、今年2月に木田GMがキャンプ地を巡りました。そこで、『うちはこういう選手がこうやっているんですよ』なんて話しを球団の方に伝えたりとか、リサーチも行ってきました。
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今年の目標は「夢みまっし」
――端保社長はどんな思いでスポーツビジネスを始めたのですか?
端保 僕は、この球団経営をやる前から、誰もやっていない事業をいろいろとしてきました。球団の経営も、毎年毎年、同じことやっちゃいけないという考えで、そこに終わりはないので。
だから、そこまでどっぷりと野球というものにかかわりながら、それこそ寝る間もなく、それを進化させていく自信を持って、取り組んできました。 というのも、スポンサー企業のお金だけに頼るのではなく、ちゃんとした興業として成り立つように考えていくことがやはり大事ですからね。
日本のスポーツビジネスって、基本、親会社とかスポンサー頼み。でも、やっぱり、プロスポーツっていうのは、入場料収入じゃないですか。そこへちゃんと戻らないといけないと思いますし、地べたはいつくばってチケット売る、それくらいの気概がないとなかなか、無理じゃないかなと今でも思っています。
――それでは最後に、今シーズンの意気込みをお願いします。
端保 チームの今シーズンのキャッチフレーズは「夢みまっし」。これは、金沢弁なんです。木田GM提案を採用したんですけど、選手には『プロへ行くっていう夢を見続けなさい』っていうことと、お客さんには『球場に来たら夢を見られるよ』『球場へ来たら何か新たなものをつかめるよ』っていうね。そういう風にキャッチフレーズでもありますけど、これは目標です!!
端保社長、貴重なお話をありがとうございました。
いよいよ今週末から、BCリーグが開幕します。今シーズンの石川ミリオンスターズの活躍を楽しみにしています!

- 端保 聡(たんぼ・さとし)
- 生年月日:1966年10月4日
- 出身地:石川県金沢市生まれ
- 経歴:稲置学園星稜中学、星稜高校、金沢経済大学(現星稜大学)出身(いずれも野球部に所属)
- 大学卒業後は、1989年東急観光株式会社入社し、95年金沢紙業株式会社へ入社。その後、06年に、石川ミリオンスターズ代表取締役に就く。現在は、金沢紙業 株式会社 専務取締役、株式会社 石川ミリオンスターズ 代表取締役、また全国RDVシステム協議会代表幹事も務めている。