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第29回 ダニー・フェルナンド・クルーズ・アヤラ投手(徳島インディゴソックス)2014年06月13日

チームと僕、そしてエルサルバドルの夢を叶えるために
2014年、10周年を迎えた四国アイランドリーグplus。四国と同規模の広さを持つ中南米の小国・エルサルバドルからやってきた右腕が、そんなリーグのマウンドを席捲している。
ダニー・フェルナンド・クルーズ・アヤラ。最速150キロのストレートと多彩な変化球で、5勝1敗。防御率は1.39(6月11日現在)とトップを走る抜群の安定感は、香川オリーブガイナーズ(以下、香川)と激しく前期優勝争いを演じる徳島インディゴソックス(以下、徳島)の原動力となっている。
5月度にはグラゼニ賞(徳島インディゴソックス)とリーグ月間MVP(投手部門)もダブル受賞するなど今、乗りに乗っている男・アヤラ。そんな彼には、実はささやかな、そして大きな夢がある…。
【目次】
[1]エルサルバドル唯一の「海外組」として
[2]日本の練習方法が合っている
[3]チームのため、自分のため、そしてエルサルバドル野球のために
エルサルバドル唯一の「海外組」として

アヤラ投手(徳島インディゴソックス)
――5月度はグラゼニ賞・そしてリーグ5月リーグMVP投手部門(4試合4勝0敗・30回・23奪三振・防御率0.30)も受賞しました。4月27日・雁ノ巣での福岡ソフトバンク3軍戦で完封してから5連勝と、一気に調子を上げましたね。
ダニー・フェルナンド・クルーズ・アヤラ投手(以下「アヤラ」) シンカー系のチェンジアップが福岡ソフトバンク3軍戦ではよく決まってくれました。「ちょいフォーク」の軌道ですね(笑)。
実はシアトル・マリナーズでは最初先発だったんですが、最後の1年はクローザーをしていたんです。ですから、福岡ソフトバンク3軍戦での完封は人生初の完封勝利だったんですよ。でも、ここではもう1ついいことがあったんです。
――というと?
アヤラ 40年前に2年間エルサルバドルに住んでいた日本人の方がこの試合を見て、試合後に声をかけてくださったんです。スペイン語(エルサルバドルの公用語はスペイン語)で「ナイスピッチング」って。
――その後も素晴らしいピッチングが続きましたね。秘訣はどこにあるのですか?
アヤラ 第一の理由はたくさんの助けがあって、ここでプレーできているから。
僕は右ひじの手術で一年間野球ができなかった間、エルサルバドルに戻っていました。正直野球もあきらめかけていたんです。でも、そこで知人を通じて四国アイランドリーグplusが海外トライアウトをすることを聞いて、もう一回だけチャレンジしてみようと思えたんです。
その人たちのためにも、もっとやらなくてはいけない。それで気持ちが高ぶっているんです。お母さんにはたまに「寂しい」と電話はしますけど(笑)。
――他に海外でプレーしている同国の選手はいるのですか?
アヤラ 僕1人だけですね。

- アヤラ(ダニー・フェルナンド・クルーズ・アヤラ)
- 生年月日:1989年4月20日
- 出身地:エルサルバドル
- 185センチ90キロ
- 右投右打
- 経歴:アンドレナス・ベロ高 ― シアトル・マリナーズ傘下マイナー