第39回 徳島インディゴソックス・山本 雅士投手 インタビュー 僕が築き上げた「1人ボトムアップ」 Vol.1 2014年12月22日

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【目次】
[1]長期離脱を強いられた高校時代に培った「自ら学ぶ力」
[2]自主練習が強い精神力を作り上げ、自主性を養った
[3]「達成感がない」から、徳島インディゴソックス練習生に

「達成感がない」から、徳島インディゴソックス練習生に

愛媛とのチャンピオンシップ第2戦で最期を締め、雄叫びを上げる山本 雅士投手

――最後の夏は3回戦で神辺旭に3対4で敗退。2試合で7回3分の1を投げた山本 雅士投手は、次の進路を考える時期になりました。

山本 高校野球を終えても燃え尽きず、達成感もありませんでした。だから普通、夏に負けるとみんな泣きますけど、僕は負けた後も泣かなかったんです。「終わっちゃった」みたいな感じで。完全燃焼できなかったので「もっと野球を磨ける場所に行きたい」ということが頭に浮かびました。

 ただ、大学に行くとなると勉強もしなくてはいけない。受験勉強をして技術が落ちることは嫌だったので「独立リーグ」という選択肢になったんです。

 実際、夏に四国アイランドリーグplusの試合も室戸まで(2012年8月19日・高知ファイティングドックス0対4徳島インディゴソックス)見に行って。色々な方のご支援もあってトライアウトも受験できました。

――やはり高校時代に得た知識と手ごたえが、「燃え尽きていない」意識になったのですか?

山本 そうです。「手ごたえがある」と思えたところで高校野球は終わってしまったので。

――実際に「トライアウト」を受験しての感想は?

山本 同じ環境を求めている人たちが集まってきていたので競争率も高く、トライアウトが終わったときは「これは合格するかどうか判らないな」と思いました。それでも徳島インディゴソックスに練習生として拾って頂いた。「練習生だと公式戦は投げられないよ」と言われたんですが、僕としては「選手契約があるチャンスが少しでもあるのなら」と考え、すぐに練習生契約の返事をしました。

 実際、受験勉強も全くしてなかったんです。引退後も同級生が受験準備をしている中、僕はずっと野球部の練習に参加していましたから。浪人覚悟でした。

――とはいえ練習生は無給。アルバイトとの掛け持ちになりますよね?

山本 徳島に入る前にはこれも色々な方に援助してもらって、心配なく行くことはできました。ただ、徳島に入ってからは、一人暮らしもはじめて、自炊も洗濯もはじめて。キツイ練習の後、18時から23時までガストのキッチンアルバイト。1~2ヶ月は大変でした。

 こうして高卒から独立リーグの世界に飛び込んだ山本雅士投手。そんな山本投手が、練習生ながら2年目でドラフト候補として注目されるのは、あるきっかけがあったという。そのきっかけについてはvol.2で紹介していきたい。

(インタビュー・寺下 友徳

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プロフィール

山本雅士
山本雅士(やまもと・まさし 投手)
  • 生年月日:1994年11月3日(20歳)
  • 広島県広島市安芸区出身
  • 173センチ78キロ
  • 右投左打

 最速146キロの伸びがあるストレートとカットボールが最大の武器。他にフォークやスライダー、今季からマスターしたスローカーブを操る右腕。広島市立瀬野小3年生でソフトボールを始め「瀬野小ソフトボールクラブ(現:瀬野ソフトボールクラブ)」で3年間プレー。広島市立瀬野川東中に進むと軟式野球部に転じ、広島県立安芸南高校で硬式野球へ。1年夏には早くも背番号「10」で登板した。

 しかし直後に腰と肩を痛め、3年までマウンドには戻れず最後の夏は背番号「3」で一塁手兼投手。3回戦で敗退するも満足感は得られず、四国アイランドリーグplusのトライアウト受験を決断。四国開催トライアウトでは1次試験を突破。2次試験合格・ドラフト指名は叶わなかったが、徳島インディゴソックス(以下、徳島)から練習生契約打診を受け受諾。2013年は徳島の練習生として一年間を過ごし、「Winter league」などで登板した。

 今季は開幕直前に練習生を脱し背番号「37」で選手契約を勝ち取ると、前期は先発、後期は中継ぎ・抑えで大車輪の活躍。愛媛マンダリンパイレーツとのリーグチャンピオンシップ、ルートインBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスとの日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップではいずれも胴上げ投手に輝き、四国4県知事連携チームMVPを受賞した。成績は31試合登板で4勝5敗6セーブ・102回3分の2を投げ被安打92 奪三振89 与四死球39で防御率2.54(リーグ5位)。

 10月23日には中日ドラゴンズ8位指名を受け、11月11日に契約金1,500万円・年俸600万円(いずれも推定)で仮契約。背番号「51」・登録名「山本雅士」でナゴヤドームでの躍動を期す。

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