第41回 徳島インディゴソックス・山本 雅士投手 インタビュー 「練習生から胴上げ投手、NPB入りへ」 Vol.3 2014年12月27日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]「練習生」が独立リーグ頂点胴上げ投手、NPB指名
[2]「環境に合うように自分を変える」

山本選手インタビューバックナンバー
第1回 僕が築き上げた「1人ボトムアップ」
第2回 練習生時代に学んだ「プロフェッショナル」

「環境に合うように自分を変える」

――周りから見れば「シンデレラヒストリー」のような山本 雅士投手の2014年でしたが、そこには確かな積み上げがあることもこれで判りました。では、山本投手から中日ドラゴンズでの意気込みをお願いします。

後期からは中継ぎ・抑えに回った山本 雅士投手

山本 これまで僕が見ていたり、憧れでもあったNPBの舞台で、今度は僕がプレーしていく立場になるわけですから、ちょっとでも目標にして頂ける選手になりたい。来季から環境は変わりますけど、今までやってきた姿勢は変えず、そのまま出し切りたいです。

――同時に、高校時代に1年以上投げられず、練習生も経験した山本投手のような選手はNPBにはそういないと思います。けがで苦しんでいたり、難しい立場にある選手に夢を与える存在にもなれると思います。

山本 うまくいかなければ当然やめたくなることもありますけど……ただ、僕は中途半端で終わりたくなかったんですよね。けがして納得いく投球ができずに終わった高校時代があって「中途半端で終わりたくない」想いが徳島への入団につながりましたし、練習生1年間の悔しさも、今シーズンの結果につながったと思います。
今シーズン当初も打たれて悩みましたけど、打たれたことからのヒントを自分のものにしていくこと。どこにでもヒントはありますし、そこからちょっとでも吸収する姿勢が今につながりました。

――ということは「マイナスはマイナスではない」のかもしれませんね。

山本 そう思います。マイナス部分を前向きに考える。「前向きにやっていけ」。これは親にも言われたことです。
マイナスをマイナスに考えるとマイナスにしかならない。マイナスの中にも得るものはある。「今こうなった」には原因があるわけですから、原因をどうやって改善していくか。それを僕は考えられるようになりました。
「環境を変えるのでなく、環境に合うように自分を変えていく」、これは独立リーグでも、NPBでも、高校野球でも変わらないことですから。

――これこそが「ボトムアップ理論」です。今日は貴重なお話、ありがとうございました。

山本 ありがとうございました!

「投げっぷりがいい」
昨年は今シーズン9勝1敗と大活躍した又吉 克樹投手(香川オリーブガイナーズ出身)(2013年インタビュー【前編】【後編】)を2位指名で射止め、今年度で65歳定年のため球団に別れを告げる正岡 真二 中四国地区スカウトは、山本 雅士のことをこう称す。その姿は173センチ68キロの小さな身体を大きく使い、25歳で入団したルーキーイヤーの1991年にいきなり10勝3敗17セーブで新人王に輝いた森田 幸一投手を彷彿とさせる。

「いや、彼の方が柔らかい。伸びしろは上ですね」
そう語るのは当時森田投手の担当スカウトだった、中田 宗男・中日ドラゴンズ編成部長である。
その「柔らかい。伸びしろ」とは……もう、説明は不要だろう。自らの現在地を認識し、向上の策を考え、実行に移し、常に検証する。この「ボトムアップ」が山本 雅士の中で成立している限り、彼は私たちの想像をはるかに超えるものを見せてくれるはずだ。

(インタビュー・寺下 友徳

このページのトップへ


プロフィール

山本雅士
山本雅士(やまもと・まさし 投手)
  • 生年月日:1994年11月3日(20歳)
  • 広島県広島市安芸区出身
  • 173センチ78キロ
  • 右投左打

 最速146キロの伸びがあるストレートとカットボールが最大の武器。他にフォークやスライダー、今季からマスターしたスローカーブを操る右腕。広島市立瀬野小3年生でソフトボールを始め「瀬野小ソフトボールクラブ(現:瀬野ソフトボールクラブ)」で3年間プレー。広島市立瀬野川東中に進むと軟式野球部に転じ、広島県立安芸南高校で硬式野球へ。1年夏には早くも背番号「10」で登板した。

 しかし直後に腰と肩を痛め、3年までマウンドには戻れず最後の夏は背番号「3」で一塁手兼投手。3回戦で敗退するも満足感は得られず、四国アイランドリーグplusのトライアウト受験を決断。四国開催トライアウトでは1次試験を突破。2次試験合格・ドラフト指名は叶わなかったが、徳島インディゴソックス(以下、徳島)から練習生契約打診を受け受諾。2013年は徳島の練習生として一年間を過ごし、「Winter league」などで登板した。

 今季は開幕直前に練習生を脱し背番号「37」で選手契約を勝ち取ると、前期は先発、後期は中継ぎ・抑えで大車輪の活躍。愛媛マンダリンパイレーツとのリーグチャンピオンシップ、ルートインBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスとの日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップではいずれも胴上げ投手に輝き、四国4県知事連携チームMVPを受賞した。成績は31試合登板で4勝5敗6セーブ・102回3分の2を投げ被安打92 奪三振89 与四死球39で防御率2.54(リーグ5位)。

 10月23日には中日ドラゴンズ8位指名を受け、11月11日に契約金1,500万円・年俸600万円(いずれも推定)で仮契約。背番号「51」・登録名「山本雅士」でナゴヤドームでの躍動を期す。

【関連記事】
第20回 【四国IL plus 2016北米遠征】「武者」から「カブキ」へ。そして「侍」へ 「全力」のキューバ代表から吸収すべきこと【2016北米遠征レポート】
第19回 【四国IL plus 2016北米遠征】ついに目覚めた「カブキJAPAN」 「KABUKI SPIRITS!」でキューバを破れ!【2016北米遠征レポート】
第18回 【四国IL plus 2016北米遠征】粘りでつかんだ「7勝目」糧に キャンナムリーグ最終戦へ【2016北米遠征レポート】
第17回 【四国IL plus 2016北米遠征】真の「カブキJAPAN」となるために あと半歩・一歩の精度を極めよ【2016北米遠征レポート】
第16回 【四国IL plus 2016北米遠征】3試合連続サヨナラ負けで5連敗 厚い壁を「KABUKISPIRITS!」で突き破れ【2016北米遠征レポート】
第53回 徳島インディゴソックス・張 泰山内野手 独占インタビュー(日本語版)  「一緒に野球を楽しみましょう!」 【2016年インタビュー】
第54回 張泰山內野手(德島藍短襪隊)獨家訪問  「一起快樂打棒球!」 【2016年インタビュー】
第52回 香川オリーブガイナーズ ドリュー・ネイラー投手(中日ドラゴンズ入団決定) 「『信は力なり』でつかんだNPB」 【2015年インタビュー】
第40回 徳島インディゴソックス・山本 雅士投手 インタビュー  練習生時代に学んだ「プロフェッショナル」 Vol.2 【2014年インタビュー】
第39回 徳島インディゴソックス・山本 雅士投手 インタビュー 僕が築き上げた「1人ボトムアップ」 Vol.1  【2014年インタビュー】
安芸南 【高校別データ】

インタビュー