第45回 松本 直晃投手(香川オリーブガイナーズ)vol.3「『一年勝負』で、送り出してくれた方々に報いる」2015年04月21日

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松本 直晃投手インタビューはこちらから!
vol.1「『夢』を与えてもらった大人たちのために、『夢』叶える」
vol.2「野球を続けさせてくれた『2つの出来事』」

【目次】
[1]違和感なく「軟式野球」に馴染み、そして投手へ
[2]考え、上達できた医療法人養和会での2年間 / 医療法人養和会の皆さんへの強い想い
[3]「一年勝負」で結果を出す!

考え、上達できた医療法人養和会での2年間

――軟式でそのスピードは凄いですね。その中でチーム成績は?

松本 1年目は中国五県軟式野球大会でベスト4。2年目の2014年は「高円宮賜杯・第58回全日本軟式野球大会2部」初出場でベスト4に入りました。

――創部2年目、全国初出場でのベスト4は快挙ですね。

松本 全国大会は京都府開催だったんですが、わかさスタジアムでのプレーは気持ちよかったですね。僕も4試合全部先発で投げさせて頂けました。

――この躍進に至った理由は?

松本 僕らのチームの練習は全てが自分たちに任されていたんです。自分で練習メニューを考え、技術論も教えられることなく、自分でまずやって、ダメな時も自分で考えて修正する。これがよかったんだと思います。だからこそ楽しいし、それが結果につながればより嬉しくなる。逆に結果につながらなくても、自分で過程の悪さが判る。そこを2年間積み上げられたことが大きかったと思いますね。
バッティングの飛ばし方で軟式野球でいえば。ボールの下にバットを入れて、一瞬上から被せて、もう1回下から被せる感覚を学んで、下関球場の場外に飛ばしたこともあります。

――それも凄いですが(笑)、投球面ではありますか?

松本 緩急の交え方ですね。軟式野球でいえば、僕らが当時、全国大会で所属していた「C級」は準々決勝まで7イニングに対し、全国大会準決勝や他の大会では9イニング。
となると全て全力投球では持たないので、変化球をいかに使っていくかや、相手打者のタイミングを、スライダーを使って左右にずらすばかりでなく、カーブを使って前後にいかにずらせるかを考えるようになりました。

――対してストレートの握りはどんな感じ……これは、特徴的ですね。

松本 ボールを親指の腹で押さえるんです。このまま弾きます。内野手時代からこの送球をしていました。みんなには笑われますけど……。ちなみにカーブも「つぶす」感覚で投げます。

――ちなみに養和会での松本選手のお仕事は?

松本 介護員をしていました。おじいさん、おばあさんの通所リハビリの送迎車運転手やリハビリのお手伝いなどです。

――ここで感じたこともいろいろとあったのでは?

松本 おじいさん、おばあさんからはいつも「若いときにやれることをやっておきなさいよ」ということを言って頂いて。あるおじいさんからは「俺も若い時は野球をして、プロ野球選手を目指していたけど、なれんかった」といった話も聞きました。軟式野球部での2年間は自分でも野球が上達した実感もあったので、「俺もやれるうちにNPBへチャレンジしてみよう」という感情が湧いてきたんです。

――加えて日々を過ごしていた松本 直晃選手に2013年10月24日、大きな出来事がありましたよね?

松本 ひと通りの仕事を終えて掃除をしていたら、事務長さんがやってきて「(環太平洋大の同期の)又吉 克樹(2013年インタビュー【前編】【後編】)がNPBから指名を受けたぞ」と言われて。彼に指名があるらしいことは知っていたんで「何位ですか?」と聞いたら中日ドラゴンズ2位。びっくりしました。そして昨年は僕と同じ兵庫県三木市出身の野間 峻祥(広島東洋カープ)と中村 奨吾(千葉ロッテマリーンズ)の1位指名でびっくりした感じです。

医療法人養和会の皆さんへの強い想い

――そんな様々なことが重なり合って、昨年11月16日に四国アイランドリーグplusの関西開催トライアウトを受験することになります。

松本 最終的に所属していた部署長さんや、同じ部署の先輩に相談しました。その時に、中国地区サッカーリーグ時代にファジアーノ岡山(現:J2)でプレーしていた阿式 幸彦さん(現:松江SC主将)も「俺もできることならJリーガーになりたかった。だから、やれるうちにがんばれ!」と背中を押してもらって、自分の上限を知るためにトライアウトに参加しました。
前日にも試合があって心配は多少していたのですが最速145キロ。特別合格を頂きました。そこで自分が独立リーグでプレーできるレベルであることを知ったことで、次の段階を目指す気持ちにもなれました。

――となると香川オリーブガイナーズのユニフォームを着ている現在も、かつての職場に対して感謝することは多いですね。

松本 医療法人養和会のことを思うと、軟式野球部的にはエースで投げていた選手が抜けるわけですし、会社的にも「部署として必要としている」と言って頂いた上で退職することになってしまった。
養和会時代は週1回程度、病院の中庭で野球教室もしていたので、子どもたちも僕らを憧れの目で見てくれていたんです。それでも、皆さんは僕が香川オリーブガイナーズに入団が決まったらすごく応援して送り出してくれた。「プロ野球選手になった」と思ってくれている子どもたちの憧れに応え続ける人にならないと。中途半端で終わるわけにもいきませんし、結果を残して堂々と病院を訪れたいですね。

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プロフィール

松本 直晃
松本 直晃(まつもと・なおあき)
  • ポジション:投手
  • 生年月日:1990年11月14日
  • 出身:兵庫県
  • 身長/体重:178センチ/78キロ
  • 投打:右投右打
  • 経歴:東海大翔洋高→環太平洋大学→医療法人養和会軟式野球部
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