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第2回 四国アイランドリーグplus CEO 鍵山 誠 氏2012年04月08日
3回連載の特別企画・四国アイランドリーグPlus・CEO鍵山氏への独占インタビュー。第2回となる今回は、『選手にとっての独立リーグとは?』また『地域の人々にとっての独立リーグの存在』を伺いました。
【目次】
[1]選手にとっての独立リーグとは?
[2]地元の人々と選手の絆
選手にとっての独立リーグとは?

四国アイランドリーグplus CEO 鍵山誠氏
――選手にとっての独立リーグとはどんな舞台なのでしょうか?
鍵山CEO(以下「鍵山」) まず、自分の意志で、野球にチャレンジすることを実践できる場所が無いのが日本の現状です。だから、今は、エリートの道を歩んできた選手しか、社会人野球に入れない。
だけど、独立リーグなら、野球のエリートでも、そうでなくても、自分の裁量で頑張れる場所がある。そこでチャレンジするか諦めるのかでは、全然違うと思うので、それならチャレンジして諦めた方がいいんじゃいかなって思うんです。
だから、うちのリーグにくる選手も、エリートではないにしても、相当小さい頃から野球をやっています。これまでの人生をかけて自分で磨いてきた技術が、どこまで通用するのか試す場所が独立リーグにはあるからです。人によっては、それが3か月で終わりかもしれないし、3年で終わりかもしれない。長くても10年もないと思うんですよね。
――鍵山社長としては、どんなメッセージを持って、選手たちにチャレンジする場所を与えられているのでしょうか?
「鍵山」 『ここで最後挑戦してから、次のステップにいけばいい』という気持ちですね。
そういう場所は提供できるので、独立リーグにくれば、達成感とかやり切った感を、ほとんどの選手が得られて、次のステップにいけると思います。
何よりそれが人生で大きい。やり切った感が得られる。モヤモヤしたのは全部、ここでチャレンジしてみて発散すればいいんじゃないかなと考えています。
――では、独立リーグからNPBにいける人の共通点とは何でしょうか?
「鍵山」 一つの共通点は、意志の弱い人はNPBへ行っていないということ。やはりその場所で何をやりたいかの明確な気持ちを長く維持することが大切で、その意志が続く人がNPBに行く確率が高いですね。NPBに行くのに4年かかった選手もいますし、1年で行く選手もいます。
意志の強さを感じるのは、会話や態度です。ここに来て自分がどれだけ野球に時間がかけられるか。例えば休みの日でも、若い人たちだから、やりたいこともたくさんあると思いますが、黙々と練習している選手もいます。基本的に野球のために、人生のある期間を99パーセント野球に捧げられる人は、NPBに行く確率が高いですね。
――NPBへの夢を諦めて引退していく選手もいると思いますが、その一番多い理由は?
「鍵山」 自分の能力の限界を知った時です。独立リーグはNPBとの接点が多く、ソフトバンクとの交流戦、リーグ戦、オープン戦など直接試合をします。目標であるNPBのチームと対戦をすると、目標とすべきレベルと自分の差が明確に分かります。今、届かないから独立リーグにいるんですけど、「1年後にこいつらを抜くんだ」という強い意志が持てるかが試されますね。

- 鍵山 誠 (かぎやま まこと)
- 1967年6月8日生まれ。大分県出身。
池田高(徳島)-九州産業大卒。
インターネットカフェ「ファンキータイム」を経営する株式会社S.R.Dのほか、
株式会社セイア、株式会社AIRISの代表取締役として多方面にて事業を行う。
07年12月より四国・九州アイランドリーグCEOに就任。
- 1967年6月8日生まれ。大分県出身。