第22回 徳島インディゴソックス 入野貴大 投手2013年11月19日

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独立リーグの凡田夏之介・中継ぎの極意を語る

今季、四国アイランドリーグplusでは「グラゼニ賞」の制定が大きな話題を呼んだ。神宮スパイダースの左腕・凡田夏之介が様々な人生経験を経ながら中継ぎとして成長を遂げ、グラウンド上のお金を拾っていく「グラゼニ」(講談社・週刊モーニング連載中)になぞらえ、野球のあらゆるシーンで「お客さんがお金を払っても見に来てよかった」と観客に思われるプレーをみせてくれた選手を毎月各球団から1名ずつ選出していく同賞。凡田夏之介の1巻登場時年俸にちなみ、「18,000円・現金支給」という趣向もあって、毎月受賞選手が真から喜ぶ様が印象的だった。

ただ、一年間を終えてみると凡田夏之介のポジション「中継ぎ」でのグラゼニ賞受賞は相当難しいことが判明した。中継ぎの仕事は「短いイニングで、リードを守り、大過なく終える」が前提。強烈な印象を観客の皆さんに植え付けることは、ピンチを背負ってのイニング途中登板以外ほぼないからである。

しかし、「凡田夏之介」を体現してくれた選手が今季、四国アイランドリーグplusに1人だけいる。移籍1年目で徳島インディゴソックスをリーグ優勝に導いたリーグ入団6年目右腕・入野貴大だ。では、彼は中継ぎのマウンドに立つ際に何を考え、何を成し遂げようとしたのか? 2013年・彼の功績を賛えつつ、四国4県知事連携最優秀選手賞にも輝いたスペシャリストならではの「中継ぎの極意」を語ってもらうことにした。

【目次】
[1]投手の最後は「気持ちの部分」
[2]「体全体の連動」と「力の入れ方」「見下し」で得た後半戦の好調
「3」「中継ぎ」の楽しさ・極意とは?


投手の最後は「気持ちの部分」

徳島インディゴソックス 入野貴大投手

――今季は愛媛から徳島への移籍という大きな決断からのスタートでした。

入野 貴大選手(以下「入野」) チームが変わっても投げることは変わらない。移籍したことについては気にせずにいきました。最終的に投げるのは自分ですから。ただ、愛媛時代の考え方ではダメなことは自分でもわかっていましたし、自分が変わらないといけないことは認識していました。正直、昨シーズンはNPBに行く気持ちが薄れかけていたんです。「このままではダメだ」と思いました。

――徳島で特に取り組んだことは何ですか?

入野 「自分のやるべきことを自分でやる」ことです。「やらせされてやる」のではなくNPBに行くために必要なことを自分で考えなければダメだということです。

――その中で投手出身の島田直也監督からアドバイスを頂く機会もあったと思います。技術・メンタル両面で具体的な話はありました?

入野 技術的な話もありましたが『最後は気持ちの部分』それはよく言われていました。『練習でしっかりできれば、試合でもしっかりできるぞ。試合でできないことを練習でやるな』とも。
難しいことは言わず「試合のマウンドで普段通りできるか」ということを繰り返し、きつく言われました。

――それが逆に言えば難しいことなんですよね?

入野 そうなんです。ブルペンでよくてもマウンドでダメな投手はいっぱいいますから。


【次のページ】 「体全体の連動」と「力の入れ方」「見下し」で得た後半戦の好調


プロフィール

入野貴大
入野貴大(いりの・たかひろ)
  • 1988年11月26日 24歳
  • 高知県香南市加美郡野市町生まれ
  • 180センチ78キロ
  • 右投左打
  • 血液型A型
  • 小学校3年までは陸上短距離を中心に様々なスポーツを経験した後、小学校4年時に桜ヶ丘スポーツ少年団で野球を始める。野市中では二塁手・三塁手・遊撃手を歴任。岡豊高でも当初は内野手でプレーを続けたが、3年春から小学校時代以来となる投手も兼任。3年夏には背番号「6」のエースとして2回戦敗退も、最速143キロをいきなりマークし周囲を驚かせた。高校通算10本塁打。なお、3年6月には1学年下の伊藤 光明徳義塾→オリックス)らと共に日米親善野球の高知県選抜メンバーにも選出され「2番・三塁手」としてスタメン出場も果たしている。
  • 高校卒業後は国士舘大に一度進むも入学を前に帰郷。プロ育成野球専門学院(広島県・現在は廃部)で学んだ後、2008年に四国・九州アイランドリーグ(当時名称)愛媛マンダリンパイレーツに入団。先発・中継ぎ・抑えとフル回転し5年間で183試合登板、18勝9敗14Sの成績を残した。
  • 今季からは徳島インディゴソックスに移籍。島田直也監督指導の下、オナシス・シレット(広島カープドミニカアカデミー)につなぐ中継ぎとして固定され、39試合に登板し3勝0敗1S。44回3分の2を投げ、46奪三振・失点13(自責点12)防御率0.81の好成績を残し、チームの2年ぶりリーグ総合優勝に貢献した。最速147キロのストレートの伸び、フォーク・スライダー・カットボールの切れ味も今季大きく成長している。
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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