第24回 又吉克樹投手(香川オリーブガイナーズ) 【前編】2013年12月03日

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独立リーグで変わった「野球観」

投球練習中に握りを確認する又吉投手

――そう考えてみると長いリーグ戦の中で、色々な手順を踏んで勝ちに結び付けられた。それもこの一年での大きな成果ではないですか?

又吉  そうですね。この一年は、よくても悪くてもポイントを絞って考えられました。調子についても一年をトータルで見た上で組み立てられました。そこで改めて気付いたのは「自分は投げ続けないとダメなタイプ」だということですね。

――同時に「野球観」についても変わった部分が多かったと思います

又吉  そうですね。投手自身を学ぶことも確かに重要ですが、その他のポジションにいる選手について知ることこそが、投手にとって一番大切なことである。それは感じました。今までは投手は投手のことだけを考えればいいと思っていましたが、投手だからこそ内野手の意図や、けん制によって周りに与える効果を理解することが自分の結果にもつながることは知りました。

――ベンチで西田真二監督の横に座るのも、その流れの1つ。

又吉  色々なことが聞けますから。監督さんは試合中「なんでアイツ、こういうことやろうとしているかわかるか?」と聞いてくるんですよ。「わからないです」と答えると、「こういう意味でやっているんだ」と教えてくれるんです。これまで自分はそんなことに全然興味がなかった。「なんで左バッターがこんなところに立っているんやろ?内野手はここにいるんだろう?まあ、俺が抑えればええやろ」という感じ。
 でも、ここに来て内野手がどんな意図で守備位置を取っているかや、相手打者がどんな狙いをしているかも判りましたし、それを知っているから、自分から守備位置の指示も出せるようになった。結果的にそれでヒットが凡打になったこともありました。自分以外のプレーヤーの「やりたいこと」を理解すると自分の結果にもつながることはここに来て一番成長できた部分だと思います。
 だから、大学時代の自分は「ただ投げているピッチャー」だったんです。そこが理解できていないから。当時、堀田一彦コーチ(藤沢商高→専修大→プリンスホテル<元日本代表>・元:専大北上高及び専修大監督)に「お前はただ投げているだけだよ」と言われたことがようやく理解できたような気がします。

――又吉投手サイドスローの基盤を作った方ですね?

又吉  はい。堀田さんと環太平洋大野球部初代監督の田村忠義さん(広陵高→日本鋼管福山<現:JFE西日本>*1974年太平洋(現:埼玉西武)1位、1975年ヤクルト2位指名も拒否)は僕の大学時代、基盤を作ってくれた方。そこにこの一年、「投手としてのあり方」を加えることができました。

 又吉選手、ありがとうございました。後編では、「野球を諦めていた」時代の話しや、これからプロ入りを目指していきたいプレーヤーへのメッセージをお届けします!又吉選手のインタビュー後編は12月10日(火)に公開予定です。

(インタビュー・寺下 友徳

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プロフィール

又吉克樹(またよし・かつき)
又吉克樹(またよし・かつき)
  • 1990年11月4日・23歳
  • 沖縄県浦添市生まれ
  • 180センチ74キロ
  • 右投左打
  • 血液型A型
  • 浦添小学校1年の時、仲間ジャイアンツ(軟式)で野球をはじめ、浦添中、西原高3年春までは内野手。3年夏には投手陣に故障が相次ぎ、バッティングピッチャーだった又吉が繰り上がる形で背番号「10」を背負い2試合中継ぎ登板。ちなみに当時の最速は117キロ。エース・主将は浦添中学時代からの同級生・島井寛仁(興南高から2年春に編入。ビック開発ベースボールクラブ→熊本ゴールデンラークス→東北楽天<2012年ドラフト5位>)だった。
  • 上原健監督(現:読谷監督)ほか周囲の反対を押し切り進んだ環太平洋大ではサイドスローに磨きをかけ、1年秋には早くも最速138キロ、4年秋には最速144キロへ。2年秋には明治神宮大会3連盟代表決定戦で近大工学部左腕・中本勇作(現:伯和ビクトリーズ)に投げ勝ち、環太平洋大を初の全国大会出場に導いた。その一方で4年秋には中国地区大学リーグ1部最下位・2部降格という苦い経験もしている。
  • そして今年はドラフト3位で香川オリーブガイナーズに入団すると、前期だけで12試合登板・7勝1敗・投球回80回3分の2で68奪三振・防御率1.34で月間グラゼニ賞(5月)・前期MVPを獲得。最終的には9月月間MVP・最多勝利投手・年間ベストナイン(投手部門)・年間グラゼニ賞も受賞し、中日ドラゴンズ2位指名を受けた。陸上・バスケットをしていた父親の遺伝子を受け継いだ50メートル走6秒2・遠投115メートルの高い身体能力も魅力の最速147キロ・右サイドハンド。
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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