第25回 又吉克樹投手(香川オリーブガイナーズ) 【後編】2013年12月10日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

又吉克樹投手(香川オリーブガイナーズ) 【前編】はこちらから

【目次】
[1]「野球を諦めていた」時代から今に至るまで
[2]ライバル・先生との切磋琢磨で「右サイドスロー・又吉克樹」へ
「3」成長過程にある球児たちへ、又吉投手からのメッセージ


プロ野球ドラフト会議2013特設サイト

「野球を諦めていた」時代から今に至るまで

グラブの抱え込み方について自ら解説する香川オリーブガイナーズ・又吉克樹投手(中日2位指名)

――最速117キロだった西原高時代、環太平洋大への進学は大きなターニングポイントになりました。よく、野球を諦めなかったですね?

又吉  いや、正直諦めていたんです。大学でも学生コーチになれればいいと思っていましたし、地元・沖縄県のクラブチームでやる勇気もなかった。「大学に行けば野球ができる」そんな感じだったんです。

――それでも、大学時代は2年秋に明治神宮大会へ環太平洋大を導けるようになった。それは何がそうさせたのですか?

又吉  まず体格が170センチ58キロだった高校時代から大きくなったこと。トレーニングする時間もメンバーもいたので技術と体力が付いたこと。そして早めにサイドスローとして自分のスタイルを確立できた。さらにこの頃は純粋に試合を楽しめていました。
 当時は「勝ちたい。防御率」とか一切気にしていなかったです。「試合に投げられればいい」。それだけでした。試合で投げられればテンションは上がりますし、明治神宮大会を決める試合ですら「これに勝てばまた試合ができる」。そんな感じだったんです。
 そこから暗黒の2年間が始まり…(苦笑)

――暗黒の2年間ですか?

又吉  それまで成績は出ていたので当時の自分は「なんでだろう?」となっていましたが、今の自分から客観的に見ると典型的な「成績が出ていても勝てない」ピッチャーでした。
 ただ、そんな2年間を経たことで、今年は体力と技術と頭の中が噛み合ったピッチャーになれたとは思います。

――そこに至った思考の変化はどこに理由があるのですか?

又吉  監督さんと話をすると常に新しい思考が自分の中に入ってくるので、それによって今までの考え方が変わっていった。いいものは取り入れ、悪いものは捨てる「新陳代謝」が今年はできましたね。

――そんな西田真二監督の言葉の中でも特に心に残る言葉は?

又吉  「なんで真っ直ぐを投げないんだ」これに尽きます。
 この一言でこの一年は決まりました。監督さんは色々なことを言ってくださりましたけど、これ以上にインパクトのある言葉はなかったです。

――それはいつ、どの場面で言われたのですか?

又吉  3月3日・坊っちゃんスタジアムHondaとオープン戦をした時、ボコスカに打たれた後です。

――その試合は私も見ていました。変化球をことごとく狙い打たれた試合ですね?

又吉  「なんでお前、真っ直ぐ投げないんだ」。意識が変わったのはその後です。自分の野球人生において「真っ直ぐを極めてやろう」と思って一年やってきました。この言葉は一生忘れることはないです。

*ここで西田監督登場、「『自分の持ち味は何か?』と考えれば、そういうことです。ま、過去を振り返ってもしょうがない。大事なのはこれからですよ」と話して去る。

このページのトップへ


【次のページ】 ライバル・先生との切磋琢磨で「右サイドスロー・又吉克樹」へ


プロフィール

又吉克樹(またよし・かつき)
又吉克樹(またよし・かつき)
  • 1990年11月4日・23歳
  • 沖縄県浦添市生まれ
  • 180センチ74キロ
  • 右投左打
  • 血液型A型
  • 浦添小学校1年の時、仲間ジャイアンツ(軟式)で野球をはじめ、浦添中、西原高3年春までは内野手。3年夏には投手陣に故障が相次ぎ、バッティングピッチャーだった又吉が繰り上がる形で背番号「10」を背負い2試合中継ぎ登板。ちなみに当時の最速は117キロ。エース・主将は浦添中学時代からの同級生・島井寛仁(興南高から2年春に編入。ビック開発ベースボールクラブ→熊本ゴールデンラークス→東北楽天<2012年ドラフト5位>)だった。
  • 上原健監督(現:読谷監督)ほか周囲の反対を押し切り進んだ環太平洋大ではサイドスローに磨きをかけ、1年秋には早くも最速138キロ、4年秋には最速144キロへ。2年秋には明治神宮大会3連盟代表決定戦で近大工学部左腕・中本勇作(現:伯和ビクトリーズ)に投げ勝ち、環太平洋大を初の全国大会出場に導いた。その一方で4年秋には中国地区大学リーグ1部最下位・2部降格という苦い経験もしている。
  • そして今年はドラフト3位で香川オリーブガイナーズに入団すると、前期だけで12試合登板・7勝1敗・投球回80回3分の2で68奪三振・防御率1.34で月間グラゼニ賞(5月)・前期MVPを獲得。最終的には9月月間MVP・最多勝利投手・年間ベストナイン(投手部門)・年間グラゼニ賞も受賞し、中日ドラゴンズ2位指名を受けた。陸上・バスケットをしていた父親の遺伝子を受け継いだ50メートル走6秒2・遠投115メートルの高い身体能力も魅力の最速147キロ・右サイドハンド。
  • 上記データは掲載時のものとなります。
【関連記事】
第20回 【四国IL plus 2016北米遠征】「武者」から「カブキ」へ。そして「侍」へ 「全力」のキューバ代表から吸収すべきこと【2016北米遠征レポート】
第19回 【四国IL plus 2016北米遠征】ついに目覚めた「カブキJAPAN」 「KABUKI SPIRITS!」でキューバを破れ!【2016北米遠征レポート】
第18回 【四国IL plus 2016北米遠征】粘りでつかんだ「7勝目」糧に キャンナムリーグ最終戦へ【2016北米遠征レポート】
第17回 【四国IL plus 2016北米遠征】真の「カブキJAPAN」となるために あと半歩・一歩の精度を極めよ【2016北米遠征レポート】
第16回 【四国IL plus 2016北米遠征】3試合連続サヨナラ負けで5連敗 厚い壁を「KABUKISPIRITS!」で突き破れ【2016北米遠征レポート】
第52回 香川オリーブガイナーズ ドリュー・ネイラー投手(中日ドラゴンズ入団決定) 「『信は力なり』でつかんだNPB」 【2015年インタビュー】
第45回 松本 直晃投手(香川オリーブガイナーズ)vol.3「『一年勝負』で、送り出してくれた方々に報いる」 【2015年インタビュー】
第44回 松本 直晃投手(香川オリーブガイナーズ)vol.2「野球を続けさせてくれた『2つの出来事』」 【2015年インタビュー】
第43回 松本 直晃投手(香川オリーブガイナーズ)vol.1「『夢』を与えてもらった大人たちのために、『夢』叶える」 【2015年インタビュー】
第41回 徳島インディゴソックス・山本 雅士投手 インタビュー 「練習生から胴上げ投手、NPB入りへ」 Vol.3  【2014年インタビュー】
西原 【高校別データ】

インタビュー