- トップ
- インタビュー
- 2016年インタビュー
- 東京ガス 山岡 泰輔投手「体が小さくても夢を与えられる投手になりたい」
第29回 東京ガス 山岡 泰輔投手「体が小さくても夢を与えられる投手になりたい」2016年10月31日

【目次】
[1]この3年間はストレートを磨くために取り組んできた
[2]社会人野球の日本代表を経験して得てきたこと
[3]社会人の3年間は常に学ぶことの連続であった
高校時代からプロ注目の存在であったにも関わらず、社会人野球の道を選び東京ガスでプレーしてきた山岡 泰輔投手。社会人での3年間でレベルアップを果たすために、どのような練習に取り組み、どのような経験をしてきたのか。お話を伺ってきた。
この3年間はストレートを磨くために取り組んできた

山岡 泰輔投手(東京ガス)
瀬戸内(広島)では3年夏に甲子園出場。キレのあるスライダーで相手打者を封じ込み、あのダルビッシュ 有(テキサス・レンジャーズ)からも激賞された山岡投手。
当時は「プロに行きたいという気持ちが強かった」そうだが、夏の甲子園終了後に結成された18U日本代表の合宿で松井 裕樹(楽天<関連記事>)が投げるボールを見て「レベルが違う。これがプロでやっていく投手のボールなのか」と衝撃を受け、東京ガスの練習に参加したのをきっかけに社会人の世界へ飛び込んだという。ただ、社会人野球についてまったく知識がなく、「どれくらいのレベルなのか分かっていなかったのですが、社会人の選手を抑えられなければプロでも通用しませんから、3年間、日本一を目標にして戦ってきました」と振り返る。
高校から大学を飛ばして一気に社会人野球の世界に入ったことで、当然、周囲のレベルは上がったが、高い能力を持っていた山岡投手は1年目から公式戦での登板機会を与えられた。「社会人はバッターの反応が違って、高校では振ってくれたボールを振らずに見逃されたりしました。そこで、バッターにボール球を振らせるために、前の打席の配球などを頭に入れておいて、ピッチングを組み立てるようにしたんです。そうやって工夫して投げていたこともあって、大量失点するようなことはありませんでした」
その一方で、東京ガスに入った当初からずっとテーマにしてきたのがストレートを磨くことだった。「この3年間、ずっと真っ直ぐを良くすることを課題にして取り組んできました。スピードを上げるのはもちろんですが、キレが良く、空振りを取れるストレートが理想なので、ウエイトトレーニングで投げるために必要な全身の筋肉を鍛えています。自分としてはまだまだだと思っていますが、1、2年目に比べて今年は空振りが取れるようになってきているので、効果は現れていると感じています」
このウエイトトレーニングは、高校時代、体重が58キロしかなかった山岡投手にとって欠かせない練習の一つだったと言えよう。「2年前、21Uワールドカップ日本代表に選ばれて、同年代のプロ選手と同じチームの一員として大会に出場しましたが、その時に『自分とは体の強さが違う』と感じました。そして、『やはり体作りが重要なんだ』と感じ、高校時代は全くやっていなかったウエイトトレーニングを練習に取り入れるようになったんです。こうして3年間、食事面にも気を遣って、全身をまんべんなく大きくし、現在は68キロまで体重を増やしています」