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第30回 東京ガス 中山 悠輝選手「悔しさを糧に来年はPL時代の盟友とともにプロ入りを」2016年12月05日

【目次】
[1]すぐに社会人のレベルの高さを実感 土台を固める
[2]今年は試練のシーズンだった
[3]PL学園の3年間は現在の基礎となっている
ショートを守れる大型内野手としてドラフト候補にも名前が挙げられた東京ガスの中山 悠輝選手。チームの主軸として都市対抗に出場し、侍ジャパン社会人代表にも選出されるなど、社会人野球で成長を遂げてきた。今年のドラフトでは指名漏れを味わい、本人にとって悔しいドラフトとなったが、それでもこの3年間で取り組んできたことや様々な経験を通して感じたことをぜひ見ていただきたい。
すぐに社会人のレベルの高さを実感 土台を固める

中山 悠輝選手(東京ガス)
名門・PL学園から大学を経ずに、社会人の東京ガスに進んだ中山選手。
「高校時代は『プロ野球選手になりたい』と考えていましたが、PL学園の先輩の吉川 大幾さん(巨人)や勧野 甲輝さん(元楽天など)に比べて自分の力はまだまだ足りないと感じたんです。そこで、社会人へ進み、プロで活躍できる選手になるための実力をつけようと思って東京ガスに入社しました」
東京ガスに入った当初は、社会人野球のレベルの高さに驚いた。
「スピード感がまったく違っていて、例えば守備で内野ゴロをさばいた時、高校時代はもう一回ステップを踏んでもアウトにできた打球がセーフになってしまう。バッティング面でも、ピッチャーの真っ直ぐに強さがあって変化球にもキレがありました。それに、外角一辺倒にならず内角も突いてきますし、一打席ごとに攻め方を変えられました」
1年目はベンチを温めることも多かったが、それでも地道な練習を重ねていった。
「技術、体力、メンタル、すべての面の土台作りをしっかりやっていこうと決意しました。技術面では、当時、ショートのレギュラーが遠藤 一星さん(中日)だったので、盗めるものはなんでも盗んでやろうと思って、よく観察していました。また、バッティングではスピードボールに対応するため、無駄なくコンパクトにスイングするようにアドバイスをしてもらい、いろいろとフォームを試しながら自分のスタイルを探していきました」
もちろん、体作りにもしっかりと取り組んだ。
「ランニングやウエイトトレーニングは1年目からずっと継続してやっています。今はインターネットで情報を得ることができますし、他の選手がやっているメニューで良さそうなものも取り入れながら、1年目よりも2年目、2年目よりも3年目と、トレーニングに対する意識も高くなっていると思います」
2年目の昨シーズンに遊撃手のレギュラーポジションを掴んだ中山選手。都市対抗の東京2次予選では、3試合で10打数8安打と大活躍し、第1代表決定戦では延長11回に決勝2ランを放つなど、大会の最優秀選手賞を受賞。9月に行われたアジア選手権の侍ジャパン社会人代表にも選出された。
「自分よりも上のレベルの選手たちが集っていたので、見習うべきところがたくさんありました。大会では一球の怖さを感じましたし、短期間で結果を残さなければいけない難しさを改めて思い知らされました。ただ、日の丸を背負ったプレッシャーの中でプレーする経験ができたことは大きな財産ですし、もっともっとやれるという自信も持つことができました」