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第17回 JR東日本 吉田一将投手2013年01月22日
【目次】
[1]アウトコース低めを武器に
[2]フォーム改造の背景と、制球力の高め方
[3]吉田投手の成長の要因は、新年の決意!
[4]社会人2年目はどんな活躍を?
吉田投手の成長の要因は、新年の決意!

「1年の目標を立てることで一日一日を振り返ることができる」
――吉田投手は、自分の取り組みなどをしっかりと言葉にされていますが、なぜ、そこまで振り返ることができるのでしょうか?
吉田 そうですね。僕が、一日一日を振り返るようになったのは、大学3年のシーズン終わった時からです。その時に、来年の目標を紙に書きました。3年の時には、『4年春に二部優勝。一部昇格。一部に上がったら何勝する。防御率はいくつ。スピードは目標で何キロ出すか。そのためには、どうするか』ということを書いていきました。その書いた目標をどこに貼るかというと、大学時代は2人部屋で二段ベッドだったので、ベッドの間にある板に貼って、常に見えるようにしました。
結果的に、その年は二部で優勝して、一部に行きました。球速も146キロを計測することが出来ました。それからは毎年、毎年続けていますね。
心理学でも、それをやると成功率が上がるといわれていて、実際にやってみたら、実現できたことが多いので、これはオススメだと思います。もし達成できなくても、自分がやるべきことを意識するのと、意識しないのでは、毎日の意識がだいぶ変わってくると思います。
――今年もまた都市対抗と日本選手権で活躍したことで、日本代表にも選出され、昨年11月にはBFAアジア選手権に出場しました。日本代表に選ばれた時、どんな思いがありましたか?
吉田 自分の大学時代からだと、まったく考えられなかったことですし、人生で初めての日本代表なので、素直に嬉しいという思いでした。候補になった時から日本選手権では下手な投球はできないなと思い、いい意味で刺激になりましたね。メンバーの中には、社会人で活躍されている投手がたくさんいらっしゃったので、その先輩方といろいろとお話しさせていただいたのは、とても勉強になりました。

▲日本代表ユニフォームの吉田選手
――他にも投手陣のみなさんとはどんな会話をされたのですか?
吉田 代表の時は、JX-ENEOSの大城(基志)さん(独占インタビュー:第12回 JX-ENEOS 大城基志 選手)と一緒にいる機会が多かったので、いろいろとお話しさせていただきました。ある時に、大城さんから『カーブいいじゃん』と褒められたことがあって、でも自分はカーブを投げるのが苦手だと思っていたんですよね。それよりも、大城さんといえば『カーブ』の印象が強いじゃないですか。それで、大城さんからもっと腕を振ることを意識すれば、もっと良いカーブを投げられるよと教わって、その言葉を参考に投げ込んでみたんですが、今ではしっくりきていますね。
他のチームの選手のみなさんから意見をいただくのは新鮮でしたし、海外で戦ったのも自分にとって大きな刺激となりました。
――その大城投手擁するJX-ENEOSとは、JR東日本は2012年は都市対抗と日本選手権で二度、決勝戦で対戦しました。
吉田 JX-ENEOS打線は甘いボールを逃さない打線でした。僕は、どちらの大会も決勝戦で投げさせていただきましたが、それまでのペース配分を考えるようになりましたね。もちろん1試合1試合はしっかりと抑えることを意識するんですけど、決勝戦でベストピッチングできるように調整の仕方を考えるようになりました。2試合とも6回途中で降板したので、体力のなさ、ツメの甘さも学びました。今の課題に気付けたということで、負けたこともプラスに捉えて、2013年は投げていきたいですね。

- 吉田 一将(よしだ かずまさ)
- 1989年9月24日生まれ
- 青森山田-日本大
- 高校時代は2年夏、3年夏に甲子園出場(登板なし)。
- 大学時代は4年春に主戦投手として一部昇格に貢献。一部では3勝を挙げた。
- JR東日本入社後は先発の一角として活躍し、都市対抗では5試合に登板し、若獅子賞と久慈賞を獲得。日本選手権でも敢闘賞を獲得。公式戦で8勝を挙げ、最多勝利投手賞を獲得した。