2014年11月01日 京セラドーム大阪(大阪ドーム)

ニチダイvs日本製紙石巻

第40回社会人野球日本選手権 1回戦
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マシンガン継投及ばず

日本製紙石巻打線を6回まで無失点に抑える好投を見せた蔭地野正起(ニチダイ)

 単純な戦力差なら日本製紙石巻に分があったのかもしれない。ベンチ外の選手も多く抱えるチームがある中、ニチダイの選手はコーチ兼任、マネージャー兼任の選手を含めても23人。ベンチ入り可能人数25人を下回る。今季、特に心配されたのが投手陣。エースだった西原圭大が広島からドラフト指名を受けプロ入りを果たし、西原と共に2枚看板を形成していた澤村翔はケガの影響もあって現役を引退。中心となる柱不在で迎えたシーズンだったが故障の癒えた2年目の蔭地野 正起が台頭し目処が立った。

 蔭地野は楽天からドラフト指名された伊東亮大を擁する日本製紙石巻打線を6回まで無失点に抑える好投を見せ、20台の応援バスで駆けつけ緑色に染まった一塁側スタンドを沸かせた。蔭地野はストレート、変化球共に決まるピッチングも見事だったがそれと同じぐらい光っていたのがベースカバー。一死一塁から平凡な外野フライでも三塁へのカバーに走る。日本選手権に出場するレベルのチームでエラーすることはまず考えられないほどの簡単なフライだったが、もし落球し三塁を狙ったランナーを刺そうとした送球が逸れた場合、カバーがいなければ確実に1点を失う。外野手は全力で送球するはずだからマウンドで打球を見つめ、落球してから走り出したのでは間に合わない。結果には全く影響しない動きだったが蔭地野の隠れた好プレーだった。そんな若いエースを援護したい打線だが日本製紙石巻の堅い守備に阻まれる。

 初回は2番・岡本直樹の放ったセンター前に落ちそうな打球を日本製紙石巻のセカンド・狭間圭太が後ろ向きにダイビングキャッチでチャンスの芽を摘む。2回には二死三塁から7番・犬童優の放ったヒット性の当たりはライト・濱田正輝が好捕。守備位置より前へのライナーは外野手にとって最も難しい打球の1つだが球際の強さが光った。

プロ野球ドラフト会議2014特設サイト

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