2015年11月09日 京セラドーム大阪(大阪ドーム)

日本生命vsHonda

第41回社会人野球日本選手権 決勝戦
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逆転サヨナラ勝ちで日本生命が史上3チーム目の連覇達成

サヨナラ打を放った福富裕(日本生命)

 根拠の無い予感は現実のものとなっていた。

「なんとなく満塁で回ってくるかなと思ってました。ツーアウトかと思ってたんで気持ち楽に(打席に)入れました」日本生命は1点を追う9回裏に3連打で同点に追いつくと一死満塁で2番・福富 裕が打席に立つ。大勢の人で埋まった三塁側スタンドでは多くの赤いチアスティックが揺れていたが、序盤から9回表まで押していたのはHondaの方だった。

 2回に日本生命が上西 主起、古川 昌平の連続ツーベースで1点を先制するが、Hondaは3回に二死一塁から阿部 寿樹のタイムリーツーベースですぐさま同点に追いつく。

 1ストライクからの2球目、ライナー性の打球がライトの頭上を越えるとスタートを切っていた一走・井上 彰吾は悠々同点のホームを駆け抜けた。初回から毎回安打を許していた日本生命の先発・清水 翔太は5回二死一塁でタイムリーを打たれた阿部に四球を与えたところで降板、このピンチを切り抜けた2番手・小林 慶祐も7回二死二塁で阿部を打席に迎えたところで藤井 貴之のリリーフを仰ぐ。

 日本生命は毎回安打を浴び3回以降は全て得点にランナーを背負う苦しい展開。打線も小さなテイクバックで持ち上げた腕を上から叩きつけるように投げ下ろすHondaの先発・石橋 良太の威力ある球を打ち崩せずにいた。それでも必死の継投で7回を1失点で凌ぎ、試合の均衡を保っていたが8回二死満塁、カウント3ボール1ストライクからストレートが高めに外れとうとう勝ち越し点を献上。

 Hondaの応援は吹奏楽の音楽に合わせて右へ左へと動きうちわを叩くスタイル。
最初は自分の席に座っている人がほとんどだったが、回が進む毎に立って応援する人が増え、8回のチャンスを迎える頃には応援スタンドに近い通路は人でいっぱいに。一塁ベンチの上辺りから始まった列はファールゾーンの奥深くまで途切れることなく続いていた。

 なおも続く二死満塁のチャンスでは1番・井上の放った鋭い当たりがセンターライナーとなり3点目は奪えなかったが、日本生命もその裏に作った一死二塁のチャンスで4番・高橋 英嗣、5番・廣本 拓也のバットから快音は聞かれず。同点機を逃すと共に最終回は下位打線からの攻撃を余儀なくされた。

 日本生命は追い詰められた展開の中、三遊間の打球を逆シングルで捌くなど好守備でチームを支えていた山本 真也がライトフライに倒れ一死。しかし、都市対抗の決勝でも終盤に3点差を追いつく粘りを見せ優勝へとつなげた日本生命、7番・上西がセンター前ヒットを放ち出塁する。

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