欧州野球紀行

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第6回 フランス野球[後編] フランス代表の新監督エリック・ガニエへの期待2013年11月28日

【目次】
[1]MLBでスター選手だったエリック・ガニエ
[2]世界で戦うための経験値を得るために
[3]次のWBCでのフランスの躍進に期待!

MLBでスター選手だったエリック・ガニエ

フランスを代表する建築物である凱旋門

 フランス代表の新監督エリック・ガニエは、カナダのケベックという街の出身なのですが、ケベックの公用語は実はフランス語なのです。ガニエも実は幼少期はフランス語しか話すことができず、大学の頃に勉強をして英語を話せるようになったそうです。

 フランス人が話すフランス語と、カナダのフランス語圏の人たちが話すフランス語では多少の違いはあるかもしれませんが、選手とのコミュニケーションについては問題ないでしょう。ただし問題があるとすれば、ガニエがフランス野球について何も情報を持っていないことだと思います。前フランス代表監督のファビアン・プルーストは、フランス国内で生まれ育ち、フランス代表としても長年プレーしてきた人なので、フランス野球については十分に知っている人でした。

 フランス代表選手の人選も、彼が自ら国内を飛び回り、選手の状態をチェックした上で決めていました。ただしガニエに関しては、北米独立リーグの球団のオーナーを務めているということもあり、フランス代表の監督になったからといって、フランスに住んで選手の状態をいちいちチェックするとは到底思えないのです。

 恐らくヨーロッパ選手権などのイベントがあるときに渡仏し、その時に調子が良い選手、またはリーグ戦で成績の良い選手を選んでいくのではないでしょうか。

 フランス代表のある選手に聞いたところ、ガニエはやはりメジャーリーガーという立ち振る舞いで、どうしてもMLBを物差しにして野球を見ているところがあると言っていました。

 世界的に見たらまだまだ発展途上のフランス野球と、世界最高峰のMLB、そもそも比べるのが酷ですし、ガニエの目からフランス野球がどう映っているか分からない部分はありますが、お互いに意志の疎通を図り、世界の第一線に導いてくれるような、そんな働きぶりをガニエには期待しています。

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