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第5回 キューバ出身のプレーヤー達の未来2014年07月16日

 キューバ政府はこの政策で、キューバ人選手に国外でもプロ契約を認め、その契約は政府の保護下で行い、海外の球団にリースという形で選手を派遣し、その代わり年俸のうちの約20パーセントを国に支払うというシステムを作った。
キューバ政府はこの制度制定後、今シーズンより日本にも選手の派遣をしており、この制度を利用して現在横浜DeNAベイスターズには、ユリエスキ・グリエル選手、読売巨人ではフレデリク・セペダ選手達がプレーしている。

 しかし、現在アメリカは、キューバとの商取引を禁止しており、キューバ政府のこの政策により国外でのプロ契約が認められるのは、実質、“アメリカ以外の国において”ということになる。ニューヨークタイムズ紙は、「この新制度で恩恵を受けるのは、日本やメキシコ、韓国など制約のない国だ」と報じていた。

 MLBとしても、魅力的な選手たちが別の国に流れてしまうので、この制度は本当に”やっかい”なものであるが、現状では亡命という制度でしか選手を獲得する方法はない。

 ただ、そうはいってもやはり野球世界最高峰のメジャーリーグでプレーできるということ、そして日本とは比べものにならない程、高額の年俸を手にする事が可能であるという事情を考えると、これからも亡命してメジャーに渡ってくる選手が減少するとは考えられないという見方もある。例えば現在巨人でプレーしているセペダ選手、1年契約で契約金は5000万円、年俸1億5000万円。ユリエスキ・グリエル選手の契約金と年俸の総額は1億円。ここから選手たちは80パーセントを自分の手取りのお金として収めることが出来る。

 それに対し、同じく今年からメジャーでプレーしているホセ・アブレイユ選手は6年68億円、昨年メジャーデビューをしたヤシエル・プイグ選手は7年42億円と大型契約をしている選手が多く目立ち、日本との年俸の差は桁違いである。

 ハイリスクハイリターンのメジャーと、安全をとって制約のない国でのプレーとどちらを望むか。キューバ国内のトップスター選手が海外でプレーする時にどちらを選ぶか、今後この二極化がますます広がっていくことになるだろう。今回のこのオールスター選出の様子からみても、キューバ人選手の人気はめざましく、これからももっともっと活躍する選手がメジャーにやってくるであろう。

 そうすれば近い将来、もしかしたら亡命をせず堂々とメジャーに渡って来ることが出来るような制度が出来るかもしれない。これからもキューバ人選手の活躍からますます目が離せない。

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プロフィール

中薗麻衣
中薗麻衣
  •  ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。

     NHKスポーツニュース番組、「おはよう日本」スポーツコーナーMLBスプリングトレーニング等他多数。週刊ダイヤモンドオンライン「アメリカンスポーツビズの歩き方」コラム執筆、週刊NY生活「MLBコラム」、週刊NY生活TV、テレビ東京「海外いくならこーでね~と!」出演など。

  • twitter:@Maia_K_Nakazono

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