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第11回 黒田博樹投手、日本球界への復帰を決断2015年01月30日


ヤンキース時代の 黒田 博樹投手

 私自身3年もの間、黒田投手を取材してきた中で、彼の印象は常に冷静沈着、粘り強いタフな選手という印象だった。

 ヤンキースに移籍した最初の年のキャンプの時に、全体ミーティングで、各選手が好きな言葉を日替わりで披露したことがあった。ヤンキース1年目の黒田投手が選んだのは 「耐雪梅花麗」。雪に耐えて梅花麗しという西郷 隆盛が詠んだ漢詩の一節だったそうだ。
梅の花は、寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く、という意味で、苦しまずして栄光なしの考え方というまさに黒田投手を表す言葉だ。

 時になりふり構わず素手で打者からのボールを受け、本当にチームの勝利のためには自己犠牲をも厭わない、そういう姿に日本のサムライらしさ、そしてプロ中のプロと表現すればよいのだろうか、黒田投手の姿勢には、メジャーの選手そしてアメリカメディアも絶賛しきりであった。

 そんな黒田投手とは、今までにクルーと一緒に食事をさせていただく機会も数回あったが、その時も、高校時代の厳しい特訓の様子を笑い話にしてさらっと教えてくれたりしたこともあった。

 ヤンキースのピンストライプを脱いで今シーズンから広島カープのユニフォームに再び袖を通すことになる黒田投手。まだまだメジャーでも活躍できるパワーは十分にあり、また今回メジャーの球団からも高額オファーがあったはずだが、それを断っての日本復帰。まだまだ動けるうちに広島に恩返しをしたい、その気持ちがこのタイミングでの復帰選択となったのであろう。

 黒田投手の今回の復帰により、広島のファンが願ってやまないカープの優勝が現実味を帯びてくるかもしれないと、すでに地元は大盛りあがりだそう。
昨年の紅白歌合戦でも広島出身の歌手グループ、ポルノグラフィティが、黒田投手の復帰を喜ぶコメントをし、またカープの本拠地マツダスタジアムでは年間シート8000枚がすでに完売とのニュースも流れており、早くも黒田効果が見られている。

 私は、ヤンキースの取材を通して、黒田投手を3年に渡って追いかける事が出来たことを大変誇りに思っている。メジャーを取材している私としては、正直今回の黒田投手の日本復帰は少し寂しいものであるが、メジャーの経験を糧にもっともっと広島でも活躍してもらえるのを非常に楽しみにしている。

(文・中薗麻衣

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プロフィール

中薗麻衣
中薗麻衣
  •  ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。

     NHKスポーツニュース番組、「おはよう日本」スポーツコーナーMLBスプリングトレーニング等他多数。週刊ダイヤモンドオンライン「アメリカンスポーツビズの歩き方」コラム執筆、週刊NY生活「MLBコラム」、週刊NY生活TV、テレビ東京「海外いくならこーでね~と!」出演など。

  • twitter:@Maia_K_Nakazono

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