第5回 2015年MLB10大ストーリー【前編】「全米を沸かせたスタープレイヤーたち」2015年12月28日

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【目次】
[1]“投手の時代”は継続
[2]A-ロッドが予想外の復調 / トレードデッドラインに波乱
[3]神童の開花 / 大物新人がデヴュー

A-ロッドが予想外の復調

アレックス・ロドリゲス(ヤンキース)

 禁止薬物使用事件で昨年1年間の出場停止処分を受けた時点で、アレックス・ロドリゲスのキャリアは終わりだと多くのファンが予想した。今季開幕前までに通算654本塁打を放っていたA—ロッドも、今年7月で40歳。年齢による衰え、長いブランク明けという事情に加え、これまで依存してきたのであろう薬物が使用できなくなったのだから、“A-ロッドの時代”も終焉だと周囲は考えずにはいられなかったのだ。

 ところが、紆余曲折を経て戻って来たスーパースターは誰も予想もできなかった勢いで打ち続ける。特にオールスター前までに打率.278、18本塁打。5月7日にはウィリー・メイズを抜く史上4位の661本塁打に到達し、6月19日にはホームランで3000本安打達成するなど、数々のハイライトシーンも演出した。

 後半戦はややペースが落ちたものの、それでも2008年以来最多の本塁打数(33本)、2010年以降ではベストの打点(86)、OPS(.842)を残した。何より意外だったのは、この活躍を続ける中で、ヤンキースファンからも再び歓声を浴び始めたことである。
「カーテンコールで迎えてもらえる日々なんてとっくに終わったと思っていた。素晴らしかったよ。僕にとってのエネルギーになる。1年前の今頃は、再び打線に名を連ねて勝利に貢献できるなんて夢にも思わなかったからね」

 これまで以上に真摯な態度が目立ったA—ロッド本人も、通算661号の後にはそう語っていた。A—ロッドの復活物語は、実際に2015年最大のサプライズであり、誰も夢にも思わない波乱万丈のストーリーだった。

トレードデッドラインに波乱

 7月31日のトレード期限には毎年多くのチームが補強に動くが、今年は特に激動だった。
まずは悲願の世界一を目指したロイヤルズが、3選手と交換でレッズからジョニー・クエトを獲得。クエトは移籍後は4勝7敗、防御率4.76と不振に陥ったが、ワールドシリーズで完投勝利を挙げるなど、プレーオフで活躍した。

 ブルージェイズも新エースとしてデビッド・プライス、新遊撃手としてトロイ・トロイツキーと大物を次々と獲得。特にプライスは移籍後に9勝1敗、防御率2.30と好投し、大黒柱としてチームの逆転地区優勝に貢献した。打撃不振に悩んでいたメッツは、タイガースからヨエネス・セスペデスを手に入れ、このキューバ産の大砲は移籍後の51戦で17本塁打。ダイナミックな攻守でファンを魅了したセスペデスは、ニューヨークの新センセーションになった。

 何より特筆すべきは、今季トレード期限に大補強を展開した上記の3チームがすべて少なくともリーグ・チャンピオンシップ・シリーズまで進出したこと。成功例を見て、来年以降も夏のトレード戦線が活発になることも考えられる。

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