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- 【小関順二のドラフト指名予想】広島東洋カープ編
第5回 【小関順二のドラフト指名予想】広島東洋カープ編2015年10月10日
【目次】
[1] リリーフ陣の層の薄さが最後まで響く形に
[2] 上原 健太の1位指名か?また2位以降はどんな高校生野手を指名するか?
広島東洋カープ 今季戦績
143試合 69勝71敗3分 勝率.493 セ・リーグ4位
リリーフ陣の層の薄さが最後まで響く形に
今季の広島は得点506、失点474で得失点差は+32。これは上位に入っていなければおかしい数値である。
各球団と比較すると、1位ヤクルト+56 、2位巨人+46、3位阪神-88、5位中日-31、6位DeNA -90で、チーム成績は4位。リーグワースト2位の-88でありながら首位争いを演じていた阪神がCS進出にするのは、どう考えても納得できるものではないだろう。
負けるときは派手に負けて、勝つときは僅少差というのが阪神。反対に僅少差を落とし、勝つときは大勝ちしているというのが広島、その差が順位に現れている。ちなみに、広島が2点差以内の僅少差で勝ったのは32試合で、阪神42、巨人41、ヤクルト40にくらべると明らかに少ない。こういうアンバランスな成績の原因になっているのがリリーフ投手の不安定さだ。
一岡 竜司 38試合、2勝4敗1セーブ7ホールド、防御率4.14
大瀬良 大地(2013年インタビュー) 51試合、3勝8敗2セーブ20ホールド、防御率3.13
ヒース 43試合、3勝6敗4セーブ10ホールド、防御率2.36
中崎 翔太 69試合、0勝6敗29セーブ11ホールド、防御率2.34

近藤 大亮(パナソニック)
シーズン途中に投手陣の役割を変え、イニング後半の8回を大瀬良、抑えを中崎に変えたがチーム成績は上昇に転じない。大瀬良はピッチングスタイルや球速などを含めたスケールの大きさ、さらに来季25歳という若さを考えれば将来のエース候補として育てたい。
前田 健太(2013年インタビュー)のメジャー挑戦が今オフに起こってもおかしくない状況だけになおさらそう思う。中崎の不安定さや中田 廉のシーズンごとの成績の乱高下も考えれば、最も必要とされる人材はリリーフである。
その適性を備えた大学生、社会人はオリックス編でも名前を挙げた次の投手たち。
井口 和明(東京農業大北海道オホーツク)、多和田 真三郎(富士大・2013年インタビュー)、佐藤 優(東北福祉大)、熊原 健人(仙台大)、上原 健太(明大)、今永 昇太(駒澤大・2014年インタビュー)、原 樹理(東洋大)、西村 天裕(帝京大)、岡田 明丈(大阪商業大)、石橋 良太(Honda)、近藤 均(王子)、上杉 芳貴(トヨタ自動車)、角屋 龍太(ジェイプロジェクト)、近藤 大亮(パナソニック)、浜崎 浩大(NTT西日本)、奥村 政稔(三菱重工長崎)
上記の投手が候補となってくるだろう。
【次のページ】 上原 健太の1位指名か?また2位以降はどんな高校生野手を指名するか?

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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