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第12回 【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編2015年10月17日
【目次】
[1] 今年のテーマは「モノになったときにスケールの大きい選手」
[2] 外れ1位はどうするべきか?
北海道日本ハムファイターズ 今季戦績
143試合 90勝49敗4分け 勝率.647 パ・リーグ1位
今年のテーマは「モノになったときにスケールの大きい選手」
現在のプロ野球界で最も強さが際立ち、その強さが長く続いていくのではないかと予想されているのがソフトバンクである。投手陣は主力のスタンリッジ37歳、帆足 和幸36歳、五十嵐 亮太36歳、サファテ34歳、摂津 正(関連コラム)33歳、中田 賢一33歳、寺原 隼人32歳に年齢的な不安があるが、やはり主力の大隣 憲司31歳、森福 允彦29歳、岩嵜 翔26歳、森 唯斗23歳、武田 翔太22歳、千賀 滉大22歳に年齢的な若さと余力が感じられ、まったく不安要素がない。

小笠原 慎之介(東海大相模)
永山 勝アマスカウトチーフは「将来の柱は武田、千賀、松本(裕樹。14年1位)です」と言う。何という余裕、何という計画性だろう。多くの球団は1年先の陣容を考えるのに汲々としていて3年先を見る余裕などない。しかし、ソフトバンクは育成ドラフトからも人材が輩出され、戦力外扱いで退団していった立岡 宗一郎が巨人の1番打者になり、亀澤 恭平が中日の2番打者になり、山中 浩史(2011年インタビュー)がヤクルトで今季6勝2敗の好成績を挙げている。「うちにいても出番がないのでよそで活躍してくれてよかったですよ」とは言っていないが、腹の中ではそのくらいのことは呟いていそうだ。
そんなわけで新人に即戦力の働きを必要としていない。わずかにキャッチャーに不安はあるが、レギュラーに最も近い高谷 裕亮は今季、リーグ2位の盗塁阻止率.422を記録している。34歳の年齢は不安だが、他球団のレギュラー捕手だった細川 亨35歳、鶴岡 慎也34歳もいてサポート態勢は十分にできている。ファームで正捕手争いをしている斐紹(10年ドラフト1位)、拓也(10年育成ドラフト6位)、14年2位の栗原 陵矢まで視野に入れれば、すぐ補強しなければいけないポジションではない。
ならば誰を指名するか。モノになったときのスケールの大きい選手、それが今季ドラフトのテーマだろう。高校生投手では高橋 純平(県立岐阜商・2015年インタビュー)、小笠原 慎之介(東海大相模・U-18 ワールドカップ関連記事)、高校生野手ではオコエ 瑠偉(関東一・外野手・2015年インタビュー【前編】 【後編】)が最も1位入札に近い。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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