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第4回 【小関順二のドラフト指名予想】東北楽天ゴールデンイーグルス編 「今年はスケール重視で指名するべき!」2016年10月13日
【目次】
[1] 高卒投手がどれだけ伸びてくるか?
[2] 1位は田中正義で行くべき!その理由とは?
東北楽天ゴールデンイーグルス編 今季戦績
143試合 62勝78敗3分 勝率.443 パ・リーグ5位
高卒投手がどれだけ伸びてくるか?

オコエ 瑠偉(東北楽天ゴールデンイーグルス)
■課題
投手、野手とも近年のドラフトの充実で徐々に戦力が整いつつある。ただ、戦力に今ひとつ分厚さがない。先発投手陣はエース、則本 昂大が中心にデンと居座るが、塩見 貴洋、美馬 学、釜田 佳直、辛島 航、安樂 智大の後続に安定感がない。しかし、辛島、釜田、安樂の若手3人はこれからリーグを代表する本格派に育つ可能性がある。まだその時期がきていないというだけの話である。
野手陣は得点力のなさが大きな課題である。チーム成績の544得点はリーグ5位、101本塁打は同4位、56盗塁は最下位と攻撃性を示す数値が軒並み下位。盗塁は選手というより監督の問題である。長打不足は外国人4人体制で補っていく予定のようだが、ウィーラー(三塁手)、ペゲーロ(左翼手)に安定感があり、ペレスとアマダーは保険要員と言ってよさそう。投打を比較すると、より補強が急務なのは投手陣の方だろう。
■過去の指名選手の状況
野手はこれまで下位指名で揃えてきたが、昨年はオコエ 瑠偉(外野手)、吉持 亮汰(内野手)、茂木 栄五郎(遊撃手)を1~3位で獲得、茂木が新人を狙える成績を残し、スカウティングの充実ぶりを伝える。さらに6位指名の足立 祐一がシーズン後半、嶋 基宏が故障欠場している間にレギュラーポジションを奪取、「ドラフトでチームを作る」という覚悟が伝わってくる。
物足りないのは投手陣の方だ。高校生投手を上位で指名し、ファームで育て上げるという方針がはっきり打ち出されたのは2012年。超高校級の森 雄大(12年1位)、松井 裕樹(13年1位)、安樂(14年1位)を3年連続で獲得し、松井をリーグ屈指のリリーフ投手に育て上げたが、森と安楽が成長しきれない。森は大谷 翔平(日本ハム)、藤浪 晋太郎(阪神)には目もくれず、入札した選手なのでここまでの歩みは納得できない。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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