- トップ
- コラム
- プロ12球団ドラフト分析2016
- 【小関順二のドラフト指名予想】読売ジャイアンツ「華のある選手を指名するべき」
第9回 【小関順二のドラフト指名予想】読売ジャイアンツ「華のある選手を指名するべき」2016年10月19日
【目次】
[1] 巨人はもっと華のある選手を指名することにこだわってほしい
[2] 良い選手は競合覚悟でも取りに行く戦略が必要だ
読売ジャイアンツ 今季戦績
143試合 71勝69敗3分 勝率.507 セ・リーグ2位
巨人はもっと華のある選手を指名することにこだわってほしい

坂本 勇人(読売ジャイアンツ)
■課題
常勝チーム、球界の盟主、そういう称号が色褪せてきた。野手は捕手・小林 誠司(来季28歳)、一塁・阿部 慎之助(38歳)、二塁・クルーズ(33歳・来季去就が不明)、三塁・村田 修一(37歳)、遊撃・坂本 勇人(29歳)、外野は長野 久義(33歳)、ギャレット(36歳)、亀井 善行(35歳)、橋本 到(27歳)が16年のレギュラーとレギュラー候補の顔ぶれである。
二十歳台は小林、坂本、橋本しかおらず、期待の若手は大田 泰示が打率.202(安打23)、山本 泰寛.256(安打20)、重信 慎之介.190(安打15)、辻 東倫.176(安打6)、岡本 和真.100(安打1)という惨状だ。
投手も状況はよくない。菅野 智之(28歳)、高木 勇人(28歳)、澤村 拓一(29歳)、田口 麗斗(22歳)と主力が20歳台で野手ほど危機的状況にないが、たとえば「日本代表クラス」という括りで見ると、菅野しか名前が出てこない。チームも選手も「華」がないと巨人という感じがしない。最も人気と伝統のあるチームなので、その辺の目配りもしてほしい。
■過去の指名選手の状況
選手に華がないのはドラフトも関係している。希望枠(大学生と社会人だけに与えられた権利)がなくなった07年以降、09年長野、10年澤村、12年菅野、14年岡本、15年桜井 俊貴と、5回も競合を避ける1位入札を行っているのだ。このうち抽選(クジ)で勝ったのは1回だけ。成功率.200はやはりきつい。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

コメントを投稿する