第18回 いよいよドラフト!魅力なパフォーマンスを持った大学生たち2017年10月25日
【目次】
[1]右投手では馬場、近藤、草場と地方大学を中心に好逸材が集結
[2]宮台、斎藤といった左腕投手、高橋礼、与座のアンダースローにも注目
[3]野手では岩見、山崎、宮本の3人に注目か
今年の大学生は松井 裕樹(東北楽天)、田口 麗斗(巨人)らが中心の世代。今年、有力的な選手はどの選手になるのか紹介をしていきたい。今年は即戦力という観点でほしい選手、まだ即戦力ではないけど、素材としては魅力的な選手をピックアップした。
右投手では馬場、近藤、草場と地方大学を中心に好逸材が集結

近藤弘樹(岡山商科大)
近年、プロ野球で活躍する大学生投手を見ると、ボールに力があって、変化球の精度も高い投手というのが多い。そういう観点から見ると、馬場 皐輔(仙台大) だろう。
仙台育英時代の最速は145キロ。そこから10キロも球速アップさせた。カットボール、縦横2種類のスライダー、カーブ、チェンジアップと球種が多彩。150キロ超の速球で押すときもあるが、ストレートの調子が悪くても、変化球でしのぐピッチング術があるのが魅力である。ドラフト直前の21日、明治神宮大会出場決定戦では完封勝利を挙げるなど、全国デビューは近づいている。
全国デビューを果たして一気に評価を挙げたのが近藤 弘樹(岡山商科大)だ。高校時代は全く無名の存在だったが、4年間の下積みで急成長。独特の腕の振りから繰り出すストレートは150キロ超え。常時140キロ~145キロの速球、スライダー、カーブ、フォークを多彩な変化球を投げ、全国でも1勝を挙げた。先発型右腕として、NPB各球団からの評価も高く、上位指名も十分にあり得る投手だ。
速球派として評判が高くなっている鍬原 拓也(くわはら・中央大)はまるで同校の先輩・鍵谷 陽平(北海道日本ハム)を思い出させる投手。下半身主導からコンパクトなフォームから繰り出す140キロ後半のストレートは威力があり、切れのあるスライダーで勝負する。同じ速球派では、草場亮太(九州産業大)は、内回りの旋回からしっかりと胸を張って投げる本格派らしいフォームが際立つ投手で、140キロ中盤の速球、切れ味スライダーは魅力だが、なんといってもしっかりと体ができて、今よりも下半身の連動性が出てくれば、もっと回転数が高いストレートを投げ込むことができそうだ。草場も先発型右腕として期待がかかるだろう。今年の大学生投手候補で最もプロレベルのストレートを投げるのが、ケムナブラッド誠(日本文理大)。確かに粗削りなのだが、しっかり胸を張り、上体から鋭く振り下ろすストレートは素晴らしく、バックネット裏で見てみたいと思わせる球筋。近年、こういう力のあるストレートを投げる投手を育成できている傾向がプロ野球界にはあるので、育成に自信を持っている球団は上位で指名しそうだ。
先発型右腕というと、飯田 晴海(東洋大)も面白い投手。右オーバーから投げ込む直球は140キロ中盤。スライダー、チェンジアップと高い制球力で勝負する本格派右腕だ。
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- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
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- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
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- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。