第9回 サムライ打線のタイミング(プエルトリコ戦から学ぶもの) ~見直すべき課題とは何か~2013年04月05日

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プエルトリコ戦を狙い球で振り返る

 以下はプエルトリコ主要投手陣が日本と戦う前にデータを起こした球のそれ方データ(アメリカ×プエルトリコ戦ほか)です。その上に赤、青、黄球の狙うべきゾーンをOn The BASEによる予測を行い、決勝ラウンドの日本と、M・サンティアゴ投手、デラトーレ投手、セデーニョ投手、ロメロ投手の際のサムライ打線が、打ちに行った球を抽出しました。

 国内の打者はムービングファーストが苦手という戦前予想の通り、動く直球に苦しめられた部分もありましたが、それ以前に振るべき球と見逃すべき球の線引きが打線として共通認識があるわけではなく、打者によってまちまちであったこと、また球が集まりやすいゾーン内でのタイミングのズレが目立っていたというのが多くの投手に対するサムライ打線への感想です。
 もちろん打者によって配球が変わったり、調子によって幅が生まれたりすることもあります。しかし、戦前のデータと当日の球の散り方にさほど大きなズレがなかったことからも、投手の傾向というのはMLB選手も参加する国際大会レベルであっても必ず存在するのだということが今回の分析で裏付けられました。
 仮にある程度切り捨てられる球やゾーンを打線として共有することができていれば、MFBの球筋に集中したり、余計なストライクカウントを作らせなかったりすることがもう少しできたのではないかと思います。勝つであるとか、負けるというのはこのような準備が万全の状態であった時に、初めて意味が生まれてくるものなのだと強く実感する大会となりました。

記号説明
×空振り ▲バットにあたるものの凡打やファール、 ●クリーンヒット、とらえた凡打
球種によって色が異なる。

右投:M・サンティアゴ投手時のサムライ打線が打ちに行った球

黒:直球 赤:スライダー 水:ツーシーム系 黄:シュート回転

反省点:打線としてみていく場合、赤ゾーンから黄色ゾーンの低めの対応に全神経を使い、それ以外の球を捨てていくことが重要だったのではないかと感じます。また、赤いゾーンをタイミング、球筋などが慣れてから黄色のゾーンを広げていくくらいの慎重さがあれば、より▲から●が増えて行ったのではないかという印象です。右打者外角低めは戦前から振るべき球では無いゾーンと予測できるため、▲二球と×一球は勿体なかったと言えるでしょう。高めに関しては、直球かツーシームの抜け球であったとはいえ、反応できていたことは素晴らしく感じたのと同時に、高めの青ゾーンの絶対数は少ない投手だったので、赤ゾーンをより意識を置いていた場合、どのようになって変わるのかということも考えさせられます。

右投:デラトーレ投手時のサムライ打線が打ちに行った球

黒:直球 赤:スライダー 水:カットボール

反省点:デラトーレ投手に対してはやってはならないことをやってしまったというくらい対応の悪さが目立った。低めのボール球へと沈むスライダーでバットがとまるかどうか、またスライダーを投げさせないような反応や待ち方を積み重ねたかったが、全般的にこの十中にはまってしまった形だった。

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