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第14回 【四国IL plus 2016北米遠征】「喜望峰」をつかむため 意欲的に黙々と前へ進め2016年06月25日
【目次】
[1]試合序盤は素晴らしい入り方をしたものの...
[2]監督、選手のコメント
[3]Twitterで収めた試合の様子や選手たちの素顔をまとめて紹介!
試合序盤は素晴らしい入り方をしたものの...

本塁打を打った小林(徳島インディゴソックス)
3連勝後の3連敗。再び苦しい状況に立たされた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。ただ、北米遠征で最終的に目指す場所「喜望峰」はもう手の届く先にある。ここが踏ん張りどころだ。では、どう踏ん張ればいいのか?そんな視点で現地時間6月24日19時05分(日本時間6月25日 午前8時05分)からカナダ・ケベック州のスタッド・フェルナンド・ベタールで行われたトロワリヴィエール・エーグルスとの3連戦初戦を紐解いてみよう。
打線は素晴らしい入り方をした。強力打線を誇るケベック・キャピタルズに2連敗を喫する中で、長打の打ち方を知らず知らずのうちに会得した彼らは2回表。山梨学院時代、世代を代表するスラッガーと呼ばれた5番・小林 義弘(徳島インディゴソックス)が「甘いコースに来たのを逃さず振れた」右越え本塁打。続く6番・宗雪 将司の安打、7番・加藤 次郎の左中間二塁打。香川オリーブガイナーズコンビの連打で1点を追加。
さらに一死二・三塁から9番・平間 隼人(徳島インディゴソックス)の犠飛で1点。1番・林 敬宏(愛媛マンダリンパイレーツ)の適時打で計4点。先発の佐藤 宏樹(愛媛マンダリンパイレーツ)がソロ本塁打2本を浴びた直後の3回表にも、3番・松澤 裕介(香川オリーブガイナーズ)、4番・ザック・コルビー(高知ファイティングドッグス)の連続二塁打などで、3点を加え7対2。試合は早くも決まったかに思われた。
ところが、コントロールが身上であるの佐藤の状態は一向に上がらない。その裏二死一・三塁のピンチから内野安打、適時二塁打を計4失点で降板。
「悪いときは誰でもあることですが、それをどう修正していくか。その引き出しが僕にはまだ少ない」佐藤の反省は後をつないだ2番手左腕のバレット・フィリップス(高知ファイティングドッグス)にも言える。4回裏にボールをそろえたところを痛打され3失点。ついに7対7の同点とされてしまった。
救いなのは、この2人を見ていた3番手以降の投手陣が踏ん張れたこと。3番手・間曽 晃平(香川オリーブガイナーズ)が3回3分1を投げて無失点。8回から登板した岸本 淳希(香川オリーブガイナーズ)も1回を無失点。「普段は他球団のいろんなタイプ、いろんな投げ方のピッチャーを今回近くで見て、いい刺激を受けていろいろ試せる」引き出しを持つ28歳。「球種を増やす」ことで引き出しの要素を探究中の20歳。年齢・アプローチは異なっても、方法論を追い求める2人の好投は「四国アイランドリーグplus ALL STARS」投手陣に今後の指針を与えてくれた。
ただ、野球というものは難しい。今度は打線が3回以降、無得点。3回までトロワヴィエール・エーグルス先発の右投手から8安打。高めへ入るゾーンを見逃さず打ち返したところまでは良かった。しかし2番手、3番手で登板した左投手たちはインコースで体を起こし、そこから外角スライダーで空振りを奪いにいく。あるいは外角ストレートをコーナーギリギリに収める。ケベック・キャピタルズの投手陣に倣い、彼らも投球の基本である外角へのコントロールを生命線としてきた。これに四国アイランドリーグplus ALL STARS打線は完全に翻弄される形となった。
9回裏、ここまでリリーフとして好投を見せていた秋山 陸(高知ファイティングドッグス)が二死二塁からサヨナラ中前安打を浴び、7対8。対戦成績は6勝8敗。ただ、何をすれば解らなかった北米遠征当初から比較にならないほど、明確かつ修正できる課題は試合の中で出てきている。「今回の北米遠征で一番嫌な負け方」。中島 輝士監督がそう評したのも、試合の勝敗を動かせないような、力量差が両者の間にないことを感じ取っているからだ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
四国IL plus ALL STARS | 0 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 |
ケベック・キャピタルズ | 0 | 2 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1× | 8 |
四国アイランドリーグplus ALL STARS :佐藤、フィリップス、嘉数、岸本、秋山-垂井
トロワリヴィエール・エーグルス:Schonfeld、Neal、Kuzminsky、DowningーLafrenz