第10回 NPBで活躍する独立リーグ出身選手たち2015年05月20日
【目次】
[1]オリックスの「新4番」 カラバイヨの「凄みがかった」独立リーグ時代
[2]変わらない「全力」 亀澤 恭平内野手(中日ドラゴンズ)に見る独立リーグ出身者の強み
[3]NPB連続ホールド記録を出したバリオスも実は……。 彼らに続け、独立リーグ出身者たち
変わらない「全力」
亀澤 恭平内野手(中日ドラゴンズ)に見る独立リーグ出身者の強み

亀澤 恭平内野手(中日)
「変わらないな」。今年2月、沖縄での中日ドラゴンズキャンプで亀澤 恭平内野手を見た際の第一印象である。何が変わらないかというと「全力」の姿勢である。
打率.303・26盗塁をマークした2011年の香川オリーブガイナーズ当時。福岡ソフトバンクホークス3軍のメンバーとして四国アイランドリーグplusとの交流戦にも出場していた3年間の育成選手時代。そしてユニフォームが変わり、背番号も「124」から「53」と二桁になった今。確かに攻走守のレベルは4年前より格段に上がった。
ただ、どんな状況下でも、どんな当たりでも一塁まで全力で駆け抜ける走りには変化なし。その時「一塁まで何秒でした?」と筆者に尋ねていたことが鮮明に甦ってきた。
開幕2戦目のスタメン出場のチャンスをつかみ、ここまで32試合出場で100打数32安打・打率.320の好成績を残している亀澤であるが、技術ベースの土台に「全力」があることが、ここまでの躍進を支えているといってよいだろう。
実はこの「全力を出す」経験を持っていることが、独立リーグ出身者にとって最大の強みである。結果を残せなければ野球自体を諦めざるを得ないハングリーな世界の中で、選手たちは何をまずすべきか。突き詰めるまでもなく「全力」以外に他はない。
昨年ルーキーイヤーで67試合登板9勝1敗2セーブ24ホールドと大ブレイクを果たし、今年3月には侍ジャパントップチーム入りを果たした亀澤のチームメイト・又吉 克樹(香川オリーブガイナーズ2013年所属)も、全力から脱力の加減を会得したことがドラフト2位指名の栄誉につながった。今季はやや不調に陥っている又吉であるが、この過程を思い出せば、復活の日はそれほど遠くない。
コラムに登場した選手の記事は以下から
又吉 克樹選手インタビュー【前編】(2013年12月03日公開)
又吉 克樹選手インタビュー【後編】(2013年12月10日公開)
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