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第53回 徳島インディゴソックス・張 泰山内野手 独占インタビュー(日本語版) 「一緒に野球を楽しみましょう!」2016年03月01日

【目次】
[1]違う環境で学ぶことはたくさんある
[2]徳島の皆さん、一緒に野球を楽しみましょう!
1月22日、衝撃の徳島インディゴソックス入団発表から1ヶ月あまり、台湾野球の至宝がいよいよ日本の地を踏みしめる。CPBL(中華職業棒球大聯盟)空前絶後の2134安打・289本塁打・1338打点を20年間で積み上げた張 泰山内野手が「独立リーグドットコム」だけに現在の心境を語ってくれた。
違う環境で学ぶことはたくさんある
――20年間、台湾野球の顔だった張 泰山選手が日本、しかも独立リーグ・四国アイランドリーグplus所属の徳島インディゴソックスへの移籍を決断した(入団記事、入団会見記事)のには驚きました。まずは、これまで抱いていた日本野球の印象について教えてください。

満面の笑みで独占インタビューに答える張 泰山内野手
張 泰山選手(以下「張」) 一言で言えば「デリケート(繊細)」ですね。これまで何回も代表やチームで日本代表や日本のチームと対戦しましたし、台湾でもTVでNPBの試合を見てきましたが、野球に対していつも執着心が高いし繊細。いつも感心しています。
また、日本の高校野球も熱気がすごい!高校野球がこれほど注目されて盛り上がっていることがすごいと思います。私もそんな日本の高校野球の様子を知って、やはり日本は「野球が好き、野球先進国だ」と改めて感じました。
――その中にあって「独立リーグ」にはどんな印象を抱いていましたか?
張 ここ数年、独立リーグの存在は私もよく聴いていました。若い選手たちが多く、NPBを目指す選手たちも多くて、また実際にNPBに行く選手もいる。みんな必死で頑張るイメージがあります。
――では、その中で徳島インディゴソックスを選んだ理由は?
張 1つ目は自分の身体がまだまだ野球をできるレベルにあること。2つ目は、他の国の野球文化を見たかったこと。違う環境の中で学べることはたくさんありますからね。
――そういえば徳島インディゴソックスの中島 輝士監督は張 泰山選手と統一セブンイレブン・ライオンズで2011年から3年間、指導者と選手の立場で同じ釜の飯を食った仲。入団記者会見でもフレンドリーなやりとりがありました。
張 中島監督は選手ひとりひとりを大切にしている方。よく笑っていますし、ポジティブです。だから、いつも事を決める前に必ず絶対選手と話し合ってから決める。「監督だから聞け」とかありません。選手たちの意見をよく聞きます。
統一セブンイレブン・ライオンズ時代、私をスタメンに入れなかった時もそうです。監督は「若者たちに試合の機会を与えてあげたい」と事前に説明してくれました。このことで私は監督が自分を大切にしてくれていることを改めて知ったんです。

- 張泰山(ちゃん・たいしゃん 内野手)
- 生年月日:1976年10月31日(39歳)
- 台湾省台東県出身
- 175センチ95キロ
- 右投右打
台湾体育学院を卒業後、20歳で中華職棒大連盟(CPBL)の味全ドラゴンズに入団すると右の長距離砲としていきなり打率.333、16本塁打と好成績を残し、1996年のCPBL新人王を獲得。その後、味全ドラゴンズの解散により2000年に移籍した興農ブルズでも本塁打王3回(2003・2004・2006年)打点王1回(2004年)に輝き、チャイニーズ・タイペイ代表としても2004年アテネ五輪と2006年・第1回WBCで中心選手として活躍した。
さらに、2011年から所属することになった統一セブンイレブン・ライオンズでも2012・2013年と2年連続打点王。現在・徳島インディゴソックス監督を務める中島 輝士監督の下で、常に結果を残してきた。
そして2013年には台湾プロ野球選手初・現在も追随する者がいない通算2000本安打を達成。20年間で1863試合出場・7675打席・6957打数2134安打・1075得点・377二塁打・289本塁打、1338打点は全て台湾プロ野球歴代1位の数字である。
昨年、所属していた統一セブンイレブン・ライオンズとの5年契約が切れた際、コーチ就任の打診を受けながらも現役生活にこだわり、1月22日に四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスへの入団が決定。台湾球界では「森林王子」の異名を持つ人格者が、異国で迎えるプロ21シーズン目に大きな注目が集まる。