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第18回 愛媛マンダリンパイレーツ 藤長賢司 選手2013年07月15日
【目次】
[1]偶然のつながりで愛媛・済美高へ
[2]いつの間にか体力を作ってくれた済美での3年間/大学・社会人・そして独立リーグの道へ
「3」収穫多き1年目、そして家族のために勝負の2年目へ
収穫多き1年目、そして家族のために勝負の2年目へ
――とはいえ、最終的に1年目は75試合出場で打率3割・本塁打2・打点24・盗塁5。二塁手でベストナインにも輝きました。打ち砕かれてからここに至った過程を教えてください。
藤長 リーグ戦ではいちいちへこめないし、喜んでもいられない。桜井(広大外野手・PL学園高→阪神→香川オリーブガイナーズ)さんや、橋本(将捕手・宇和島東高→千葉ロッテ→横浜→愛媛マンダリンパイレーツ・昨季限りで引退)さんは、失敗しても決して下を向かないし、常にどこが悪いかを考えていました。(関連記事:超一流〜橋本将と河原純一が愛媛マンダリンパイレーツに与えるもの(前編))NPBチームとも試合をしていく中でリーグの考え方を身に着けることができました。
それともう1つ、遊撃手から三塁手にコンバートされて守備への負担が少なくなる中で、自分のバッティングの原点を思い出したことも大きいです。
最初は『三振したらいけない』ばかり考えて、フライでアウトになることが多かったんですが、だんだん指導者から教わったことを自分の形にすることができるようになって、吉岡雄二コーチからも言われる三遊間に転がして走りきるから入ることができるようになりました。その意味ではいいことも悪いこともあった一年でしたね。
ただ、結果は十分とは思っていません。考え込む場面もあったし、もっとできた。まだ足りないと思います。

打席で構える愛媛MP・藤長賢司二塁手
――そして今季は副キャプテンに。NPB入りへも勝負の2年目です。
藤長 高校時代は副キャプテンでしたし、昨シーズン後期から副キャプテンに近い仕事をしてきたので特に違和感はありませんが、内野手の中で僕が一番年上になるので、どんな場面でも自信満々でやらないといけないと思っています。
――今季は二塁手での出場が主になっています。
藤長 まず二塁手でバッティング同様に普通にできるレベルになって、全体をレベルアップしたいですが、二塁手はポジショニングや状況を突き詰めて考えることが多く、色々教えてもらうことがあって新鮮です。野球選手として成長できる実感はありますね。
――ただ、チームの成績は前期3位。香川オリーブガイナーズに前期優勝を許しました。
藤長 ウチはまだ果たしたことがない総合優勝を目標に掲げてはいますが、口で言っても結果を出さないと意味はないです。
ウチの選手はみんないい奴ばかりですけど、野球に対してのずる賢さを持っている香川を超えるには、仲良しだけでは成し遂げられない。もちろん、言う以上は自分がしっかりしないといけないと思っています。
――次の塁を狙う走塁面にも力を入れたいところですね。
藤長 今季は2番・3番が多いですが、チャンスがあるところではもっと走らないといけないと思っています。
――そして愛媛県への恩返しもありますね。
藤長 イベントに参加したときも声をかけてくれる野球に熱いファンが多いです。高校時代も今も野球に打ち込ませてくれています。シーズン最後に愛媛県様様になれるように頑張ります。
――それでは、最後に今季にかける意気込みを。
藤長 NPBは小さいころからあこがれている夢。今は見えないところにあるとは思っていないので、今年は総合優勝してNPBから指名を受けます!
今年からは大阪体育大時代から交際していた女性と結婚し、犬一匹・猫一匹含めての新生活をスタートさせている藤長。「犬と猫と散歩しているときがいい気分転換になります」と一瞬だけ顔を緩ませた後の視線は高校時代から慣れ親しみ、今は夢をつかむための場所となっている坊ちゃんスタジアムのグラウンドへと真っ直ぐに向いていた。
(6月26日・坊ちゃんスタジアムにて取材)
- 藤長 賢司 (ふじなが・けんじ)
- 1988年1月12日 兵庫県出身
- 身長173センチ 体重74キロ 右投左打
- 済美高校
-大阪体育大学 - 2012年 ベストナイン(3塁手)